2020年夏季五輪の招致を検討している広島市の秋葉忠利市長は14日、菅直人首相に面会する。4月に市長を退任するのを前に、次の市長が招致に名乗りを上げれば、国が財政保証を確約してくれるよう「直談判」するとみられる。民主党幹部とも面会し、協力を呼び掛ける。
秋葉市長は、菅首相とは衆院議員時代からの旧知の間柄。退任する意向を報告するのに合わせ面会予定を取り付け、核兵器廃絶の理念をうたう広島五輪の意義を強調する考え。16年五輪招致を目指した東京都と同じく国内候補都市に決まれば、閣議決定で国の財政保証を確約するよう要請するとみられる。
14日は枝野幸男官房長官や前原誠司外相、民主党の岡田克也幹事長、仙谷由人代表代行とも面会する予定だ。
広島五輪をめぐっては、開催基本計画案で約1千億円近い寄付金を見込むなどで市民に実現性への疑問の声が多い。招致検討を強力に推し進めた秋葉市長は退任を前に、政府の財政保証を取り付けることで市民の招致機運を高める狙いがある、とみられる。
秋葉市長の退任表明で市議会などには「五輪構想は終わった」との見方が出ている。このため市は、招致検討を秋葉市長から新市長に引き継ぐ「アクションプラン」作りにも着手している。
|