広島市は今秋、世界的彫刻家の故イサム・ノグチ氏が欄干をデザインした平和大橋(広島市中区)の歩道橋新設工事に着手する。橋両端にある幅1・8メートルの歩道が狭く、歩行者の安全確保を図る。2014年度の完成を目指す。
歩道橋は平和大橋の北15メートルの元安川に架ける。市はデザインを国際コンペで募り、国内外の29社が応募。緩やかな勾配が特徴的で、東岸に小高い丘を設けた構造にした大日本コンサルタント(中区)の案を採用した。歩行者と自転車専用道を分離した幅7・9メートル、長さ83・5メートル。市は11年度、整備費に1億4900万円を充てる。
平和大橋は1952年、平和大通りの建設に伴い完成。欄干は日の出をイメージしたなどとされる。本川に架かる西平和大橋とは対で、復興のシンボルとして親しまれている。
ただ、老朽化が進み市は一時、橋全体の架け替えも検討したが、財政難もあり断念。補修による「延命」を選択した。一方で歩道は朝夕の歩行者や自転車の混雑が激しく、平和大橋の欄干との調和▽原爆ドームの眺望を妨げない▽市民の親しみやすさ―を条件に歩道橋を新設することにした。
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