宮城のニュース
就職氷河期どこ吹く風 留学生の採用売り手市場
日本の企業に就職を希望する留学生を対象にした「外国人留学生のためのジョブ・フェア」が12日、仙台市青葉区の仙台国際センターで開かれる。国内の大学生は史上最悪の「就職氷河期」といわれる一方で、海外での事業拡大に備えた留学生の採用熱は高く、「売り手市場」の傾向が強まっている。
フェアは東北大大学院経済学研究科国際交流支援室の主催で、合同企業説明会には42社が参加する。ホンダ、パナソニックなど新興国で売り上げ増を図る大手企業が顔をそろえ、来春卒業予定の留学生らとの個別相談に臨む。 支援室によると、これまでの説明会参加企業はおおむね20〜30社。昨年は49社だったが、うち15社は国の事業による別枠で「実質的に今年が過去最多」という。 円高を背景に海外展開を図る愛知県の自動車部品メーカーは2年連続で参加。「現地法人で活躍できる人材が枯渇している。現地採用は教育が難しく、日本の文化に理解ある留学生への期待は大きい」と説明する。 海外での事業展開をにらみ、東北の中小企業も獲得に前向きだ。 初参加の生産機械製造のマトロ(角田市)は2〜3年以内に中国・天津で合弁会社の設立を目指している。同社は「日本語で会話でき、現地で橋渡し役にもなれる理工系の中国人留学生を採用したい」と意気込む。 初の海外進出を検討中のソフト開発のエム・エス・アイ(山形市)では既に留学経験のある中国、台湾出身者3人が働いている。前盛直人経営企画室長は「留学生は働く目的意識が日本人より高い。大学生全体の就職は厳しいが、留学生人気は自然な流れではないか」とみる。 経済学研究科の末松和子准教授(異文化間教育)は「企業ニーズの高まりは留学生にとって追い風。産学官も新たな就職支援体制を整えるべきだ」と話している。 フェアは午前10時〜午後6時で、参加無料。アジアを中心に留学生約300人が参加する見込み。企業の採用担当者と内定済みの留学生らによるパネル討論「魅力あるグローバル人材」やセミナー、懇親会もある。連絡先は国際交流支援室022(795)7788。
2011年02月11日金曜日
|
|