※このエントリーは入院前に送られてきたものです。
私が使者へ最初に提起したことがこれ。
「スペック設計の際、スタート回数から入れ」
その意味は…
最近のお客様の不満は、「スタートが回らない」。
調査をした訳ではないが、最近のお客様は、次の様な感覚で遊技している。
１０００円＝１Kで何回スタートが回るか。
現在のお客様の感覚は、１Kで２０回回れば御の字という感じ？ １Kで２２〜２５回で大満足！
現実的には等価交換店では、平常で１Kで１０〜１４回くらいをよく見かける。
TY削りやスルー削りが激しいホールでは、１６〜１８回くらいのケースも。
実際に遊技すると、最初の５００円で３〜４回、次の５００円で６〜７回、なんてことは多々ある。
この話は、ミドルやライト、MAXタイプに関係なくスタート回数にこだわっている。
今のお客様の最大の不満要因は、
スタートが回らないこと。
ホール内での常連客同士の会話で、「今日はどうですか？」「いや〜全然回らないよ」というのがあいさつがわりにもなっている。
つまり、お客様の不満要素を解消するには、私の提案したこの考え方をメーカーが取り入れれば、ファン層は増える。
これは断言する。
その大前提には、面白い機械の開発は欠かせないことも忘れてはならない。
演出のタイミングや、リーチの頻度や傾向は、いま以上に検討を重ねる余地が大いにある。
しかし、現状で発売される機械の完成度は、各メーカーの実力相応な機械になっていると考える。
簡単に書けば、完成度の目標をより高い位置に掲げていても、今、発表されている機械がそのメーカーの開発力そのもの。
ホール側から言わせれば、「もっと良い台を出せ！」とか「面白い台を出せ！」と言いたいところだが、現状がメーカーの最大の実力とした場合、お客様の不満解消には、出玉よりもスタートを回すことだ。
これは現実的な考えであり、かつ合理的だと思う。
業界内ではスタート回数を千円単位では示さないが、お客様の感覚に合わせる必要があると思うので、１Kで何回スタートを回すかに重点を置いて、機械開発するのも重要だ。
メーカーには、今まで以上に良い機械を発売してもらうのは当たり前。加えて、お客様のスタート回数の不満を解消するスペックを計算して、それを反映した新台の開発を望む。
例えば、スタートを１Kで２０回と仮定して、T1YやTS等を計算して、今とは違うスペックを誕生させることも重要だと思う。
昔、３回権利物には、スタートのベースがゼロの機械もあった。
つまりスタート穴がスルーに。
その穴の下に、平行釘があり、そこへ入れば払い出しが７個くらいあったが、１００％入る訳ではない。
現実に当時の高価交換店では、そのベースをほとんど殺していた。
これを考えると、全員ではないけど、お客様の中にはスタート払い戻しのベースよりも、スタート回数を重視する人もいる、ということ。
現実的に高齢者は、現在主流の３個戻しが４個、５個戻しになっても、体感できないと思う。
小生の母親や叔父叔母、母親の友人たちは、ベースよりも実体験するスタート回数にこだわりを持っている。
今から約２０年前、西陣の「花鳥風月」と言う機械があった。現金機で、超連チャン機だった。
私も調整していた経験がある。
確かメーカー発表の大当たり確率は「２２０分の１」か「２２５分の１」。
しかし、初当たり確率は「３３０分の１〜３５０分の１」前後だったとホールコンのデータが物語っていた。
この機械を調整して感じたことは、スタートの消化が早いことだ。とにかくバンバンお客様がスタートを回せる設計であった。
この頃は、４０玉や５０玉交換が主流。
その関係もあり、お客様は実際の機械の大当たり確率が悪くても、大ハマリをしても、それを大問題にする傾向は「今より少なかったと記憶する」。
これは当時のセブン機（なんて懐かしい呼び方…笑）に該当する話であり、ヒコーキ機（この言い方も今はない…笑）では、「鳴かない」（スタートの羽が開閉しない）とか「寄りが悪い」といわれた。
昔、お客様が羽根物に対して批評した言葉が、今はセブン機にこの言葉が使われている。
歳月が流れると共に、業界は変化している。それに合わせてメーカーは、機械そのモノの見方や設計で新しい取り組みが必要で、私が提唱する「スタートが回せる機械」の開発が必要だと思う。
機械の演出方法やデザイン等のデキを批評するだけでは、これからも良い機械が生まれない、と断言する。
お客様の求めるニーズを実現させることが求められる。
１Kで２５回も回せて、「機械演出などの完成度が高ければ」、初当たり確率が低くても、お客様の不満の一つは解消できる。
この話は、使者へ伝えたので、おそらく近いうちに開発チームが発足されて、２年後から３年後には発売される可能性は高い。
他のメーカーの人が、このエントリーを読まれていたら、是非検討して欲しい。
数年後、スタートがよく回る機械が発売されたら、私の提案が原案となっている可能性が高い。そうなれば本当に嬉しい！
私は様々な製品の開発に携わってきた。
現状のパチンコ機開発に限界を感じているので、今回この様な提案した次第だ。
パチンコ機メーカーは、他の産業に比べ開発コンセプトの詰めが曖昧に感じられる。
理由はパチンコ機の開発が「版権」であったり「演出」「デザイン」に力を注いでいる反面、
本来その機械で遊技する立場の人々の存在を忘れているからだ。
※機械開発の基本は、物事を見る方向が時代と共に変化するということ。現在の内規に合わせた機械開発ばかりしていると、その先は何も見えてこない。
しかし、この文章を読まれた開発者の中には、カチン！とくる方もいるだろう。それは当然のこと。
私自身は、以前から書いているように、現在コーチングの仕事をしている。顧客の中には、根っからの技術者や開発者がいるので、なおさら、その気持は理解できる。
私が合繊メーカーの営業マン時代に開発に携わったものの中に、工業ミシン用金銀糸があった。１年以上前にエントリーしたので、覚えている方もいるだろう。
これは、市場で求められている品質を、営業マンが市場から探し出し、それを製品化するものだった。
市場で売れる品質を、開発側に伝えると、最初は「無理だ」と断られた。
しかし、それを調整していくのが、開発担当営業マンの腕の見せどころ。
開発側と市場と営業マンは、常に同じサークルに入っているが、立場のせめぎ合いがある。
私はそれを理解した上で、このエントリーを書いている。
だから開発者の皆さんからは「元店長は生意気だ！」と思われても仕方ないが、私も開発に携わった経験があるので、その点を考慮頂きお許し願いたい。
これは一例だが、皆様のヒントになれば幸い。駄案と感じれば、スルーして欲しい。
つづく
あなたのポチっ♪が業界を変える