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日雇いから生活保護へ 変わる街の姿 大阪・釜ケ崎(3/3ページ)

2011年2月10日

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写真:月末の生活保護費の支給日。多くの人たちが目抜き通りを行き交った=1月31日、大阪市西成区、日吉健吾撮影月末の生活保護費の支給日。多くの人たちが目抜き通りを行き交った=1月31日、大阪市西成区、日吉健吾撮影

写真:午前5時になると買い物かごいっぱいに総菜を入れた人たちが、半額シールをつける店員の前に列を作った=1月28日、大阪市西成区のスーパー、伊藤恵里奈撮影午前5時になると買い物かごいっぱいに総菜を入れた人たちが、半額シールをつける店員の前に列を作った=1月28日、大阪市西成区のスーパー、伊藤恵里奈撮影

 カレーライスと豚丼(各230円)を売る食堂の女性店主(75)は「ここ数年で売り上げが半分になった」という。昨年、並びの酒屋と居酒屋が立て続けに閉店した。「うちも思案中です」。大阪市によると、2004年3月に545軒あった釜ケ崎の飲食店は昨年10月、475軒に減った。

 午前5時、「激安」を売りにする近くの24時間営業スーパー総菜売り場には、20人超の中高年の男たちが押し寄せた。前日作った100円前後の総菜と300円前後の弁当が半額になる。買い物かごをいっぱいにして、商品一つひとつに半額シールを貼り付ける店員の前に列を作った。

 800円分買った60代の男性は週3日、来店して買いだめをする。鉄筋工の日雇いを続けたが、腰を痛め一昨年秋から生活保護を受けている。食費は月2万円ほど。「昔のように飲みに行けない。部屋でテレビを見つつ発泡酒を飲む。それが楽しみ」。巣ごもりの街の冬は続く。(坂本泰紀)

  ◇

 〈生活保護と釜ケ崎〉 厚生労働省によると、生活保護の受給世帯は昨年10月現在、過去最多の141万世帯。09年度の支給総額は3兆72億円にのぼった。大阪市西成区の釜ケ崎(あいりん地区)では、大阪万博があった1970年前後に大量に流入した働き盛りの世代の高齢化と求人数の激減で受給者が急増。現在は約9千人で、2000年度の3倍になった。釜ケ崎には推計約2万5千人が住んでおり、3人に1人が受給していることになる。

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