HALTANの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-01-14

■[ジャーナリズム・地獄の季節]ビックカメラとＢＳ１１と「生ぐさい」人々

ビックカメラ <3048> の１３日大引けは３万２５００円（５５０円安）だったが、決算予想を一部赤字などと昨日、修正した割には底固く推移した。資本提携するベスト電器 <8175> が赤字拡大などを悪材料に一時ストップ安となったことにも反応は薄かった。

■業績見通し減額でも右肩上がりを維持

ビックカメラは昨１２日の大引け後、第１四半期の決算発表と同時に中間期（第２四半期）と８月通期の業績見通しを修正、中間期の純利益を赤字に転換とした上、８月通期の連結業績見通しは経常利益を１１８億円から７５億円にするなど、大幅に減額した。

また、同社が１５．０％出資するベスト電器は同日、グループの「さくらや」の事業展開を２月で清算し、本体の店舗も２０１２年２月期までに５０〜７０店を閉鎖するなどの計画を発表したが、特別損失を計上するため業績見通しの赤字幅を大幅に拡大。１３日の株価は前場一時ストップ安の２６５円（８０円安）をつけ、大引けは２８１円となった。

こうした中で、ビックカメラの株価は取引時間中につけた安値３万２１００円がちょうど２５日移動平均（１２日現在で３万２１１０円）で下げ止まった格好になり、１１月以降の右肩上がりトレンドを維持した。１月中にソフマップ <2690> を子会社化する予定であり、総合戦略が注目される。

2010年01月12日 21:50更新 ビックカメラは出資先ベスト電のＳ安も平穏な動き、ソフマップとの戦略に注目（情報提供：日本インタビュ新聞社＝Ｍｅｄｉａ−ＩＲ）

http://www.zaikei.co.jp/article/biznews/100112/42829.html

・・・ところでＢＳ１１（http://www.bs11.jp/）ってどうなるのかな？　現在の実体はほぼビックカメラ通販チャンネルだけど。

日本BS放送（にっぽんビーエスほうそう）は、日本の委託放送事業者の1つである。株式会社ビックカメラの連結子会社である。

2007年12月1日より、「BS11デジタル（ビーエスイレブンデジタル）」の名称で無料のBSデジタルハイビジョン放送を開始した。

wikipedia:日本BS放送

本放送から9か月時点の2008年8月期決算は、売上高約23億円、経常損失約15億円で、売り上げの伸び悩みと制作費の超過が目立った。今後は認知度向上と黒字化を課題としている[2]。

同　会社概要

ＢＳ１１は当初の目玉だった自主制作のオリジナルトーク番組も現在はほぼ終了している。

先述の通り、初年度から大きな赤字を出したこともあり、コストのかかる（自社制作主体の）生放送重視路線を転換。開局時の目玉番組「大人の自由時間」を終了させるなど自社制作を縮減する一方、韓流ドラマの枠を拡大したり、米国FOXテレビと提携し常設枠「FOX11」を設置するなど、外部調達による「エンターテインメント路線」に舵を切っている。

同　放送局概要　現在

いま純粋にＢＳ１１のオリジナル番組といえるのは、もはや『INsideOUT』程度しか残っていない。

INsideOUT（いんさいどあうと）は、BS11デジタルのニュース番組。2007年12月3日放送開始。

政治家などをゲストに迎えたトークコーナーに番組の半分以上の時間を割き、地上波の裏番組「報道ステーション」と差別化を図っている。毎日新聞社、毎日映画社が全面的に協力しているほか、アジアプレス・インターナショナルとも連携している。

wikipedia:INsideOUT

BS11ニューススタジオ（パレスサイドビルディング内、毎日映画社所有）から生放送。

■ニュース　- 毎日新聞夕刊の紙面などからその日のニュースを紹介。

■トーク - 時事問題について、司会者とレギュラーコメンテーター（毎日新聞論説委員）、ゲストが討論する。番組の「核」ともいえるコーナー。

■INsideASIA（水曜） - アジアプレス・インターナショナル代表のジャーナリスト・野中章弘が、ゲストからの報告をもとにアジアの話題や時局問題について解説する。

■market insight（金曜） - STOCK VOICEのキャスター陣が株価の動きを伝え、相場を読み、解説する。

同　内容、構成

月曜日：二木啓孝（ＢＳ１１解説委員）松田喬和（毎日新聞論説委員）

火曜日：高橋明男（週刊現代担当部長）児玉平生（毎日新聞論説委員）

水曜日：小西克哉（国際教養大学客員教授）金子秀敏（毎日新聞論説委員）

木曜日：鈴木哲夫（ＢＳ１１報道局長）松田喬和（毎日新聞論説委員）

金曜日：内野雅一（週刊エコノミスト編集長）遠藤典子（週刊ダイヤモンド副編集長）潮田道夫（毎日新聞論説委員）

ＢＳ１１『ＩＮｓｉｄｅＯＵＴ』公式サイト　出演者・スタッフ

http://www.bs11.jp/news/59/

・・・中身は他の衛星系トーク番組と同じで、出演者たちがショボいセットでダラダラ喋ってるだけ。ＢＳ１１には毎日新聞社も出資していますが、

主要株主 ビックカメラ 66.62%（同社の連結子会社） ソフマップ、毎日新聞社、パナソニック、東芝、NTTドコモ など（2008年11月1日現在）

wikipedia:日本BS放送

周知の通り、毎日の現状も決して良くはないらしい。

・・・ビックカメラが「ビックカメラ通販チャンネル」としての価値を認めなくなった頃がこのチャンネルの最期なのだろう。逆に言えば、ビックカメラが通販チャンネルとしてＢＳ１１を必要とする限りは存続出来る。ちなみにベスト電器の関連会社が通販のプライム（現・ジパングホールディングス）http://www.primeshop.jp/で、その専門チャンネルがプライム３６５．ＴＶ（http://www.e2sptv.jp/prog_navi/e185.html）なんだって。

さて、二木啓孝（なんと「日本BS放送取締役（編成・報道制作担当）」！wikipedia:二木啓孝）や鈴木哲夫もいつまでＢＳ１１に居られるのか？　検索していたらネット上にこんなのが残ってたけど、

放送人：ＢＳ１１報道局長・鈴木哲夫さん

◇取材者として血が騒ぐ

講演や著述、市民講座の講義、そして本業の番組制作。さらに衆議院選挙が３０日に決まり、輪をかけて 多忙になった。メールをみるのもままならないほどだという。

２０年近くに及ぶ政治家取材によって、政界に太く長い人脈を持っている。看板番組の「ＩＮｓｉｄｅ ＯＵＴ」に、党首クラスの大物政治家を招くことができるのもそのためだ。政治記者の印象が強いが、カネミ油症訴訟、阪神大震災といった大災害や事件事故の取材も多数経験してきた。

デスクワークに専念してもおかしくない役職、年齢だが、今もときにはビデオカメラを持って取材する。

各局が「天王山」と位置づける３０日を前に、取材者としての血が騒ぐ。一方で「派手な演出に一線を 画し、各政党や候補者に深く迫って、有権者の投じる１票の参考になる選挙報道をしたい」とも。熱い魂 と、冷静な報道で夏の陣に挑む。【栗原俊雄】

■人物略歴

福岡県出身。８０年、テレビ西日本入社。記者として福岡県警などを担当し、９２年フジテレビ出向。東京ＭＸテレビ報道制作部長などを経て０７年から現職。５１歳。早大庭球部で全日本学生ベスト３２の 実績を残した。

毎日新聞　2009年8月16日　東京朝刊

http://www.unkar.org/read/tsushima.2ch.net/news/1250517025

鈴木哲夫ってのも、

政党が操る選挙報道 (集英社新書)

政党が操る選挙報道 (集英社新書)

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

鈴木哲夫

1958年生まれ。早稲田大学法学部卒。放送記者、ディレクター、プロデューサー、ビデオジャーナリスト。テレビ西日本報道部、フジテレビ報道センター政治部、東京MXテレビ、朝日ニュースター報道制作部を経て、2007年より日本BS放送勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

テレビ西日本→フジテレビ→ＭＸ→朝日ニュースター→ＢＳ１１、、、ともう無茶苦茶なおっさん。恐らく９５年開局のＭＸに参じたのがこの人の運命の分かれ道で、ずっとテレビ西日本やフジテレビにいれば今ごろは全く違った人生だったのだろう。ＭＸも当初は故村木良彦wikipedia:村木良彦プロデュースによるビデオジャーナリストを使った報道メインの都市型ＴＶ局のはずだったのに、「社内でお家騒動ばかり」「ビデオジャーナリストの負担が重過ぎた」といったゴタゴタ続きで頓挫している。・・・結局、鈴木さんは小局でもいいから自分のやりたいようにしたい、自分の番組を持ちたい人で、それでＭＸ→朝日ニュースター→ＢＳ１１と自ら茨の道を歩む羽目に陥っているのでしょうねえ。それとも政治記者上がりのＰＤという人種は、他の衛星局の番組と同じく、政治家・有名人を招いて発言を引き出して番組発のニュースを作れればそれだけで御満悦なのでしょうか？　例えばこういう具合に。

一方、後任の財務相に菅副総理が起用されたことについて、自民党の加藤紘一・元幹事長は衛星放送「ＢＳ１１」の番組で「菅氏はカッとしやすく、攻めやすい」との見方を示した。

藤井氏辞任、自民総裁「民主内あつれきなら問題」 2010年1月7日00時43分 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100106-OYT1T01210.htm

松井孝治官房副長官は７日のＢＳ１１の報道番組に出演し、日本航空の再建問題について「負の遺産、しがらみを断ち切るべきなのは事実だと思う。本当の再生は一回けじめをつけないとできない」と述べ、法的整理による再建が望ましいとの考えを示唆した。

日本航空：再建問題　松井官房副長官「しがらみは断つべきだ」 毎日新聞　2010年1月8日　東京朝刊

http://mainichi.jp/select/biz/news/20100108ddm002020053000c.html

・・・私は宮台真司のマル激自画自賛を揶揄したが（2010-01-11■[ジャーナリズム・地獄の季節]「タレント」は「テレビ棄てネット移行」なんかしない。id:HALTAN:20100111:p1) 、宮台と親しい神保哲生も実際にやってることは零細ベンチャー（ビデオニュース・ドットコム）経営者兼メディア・コンサルタント程度のもん。

フリーのビデオジャーナリスト活動を展開する一方で、1996年に日本ビデオニュース株式会社を設立し代表取締役に就任。1998年、委託放送事業者免許（放送免許）を取得して、米ケーブルテレビで経済ニュース専門チャンネルのCNBCと提携したCS放送『CNBCビジネスニュース』をスカイパーフェクTV上で運営する。1999年11月、日本ビデオニュース株式会社はCNBCジャパンの株式を日本経済新聞系列の日経サテライトニュースに売却。CNBCジャパンは日経サテライトニュースと合併し、日経CNBCとなる。一方、日本ビデオニュース株式会社はその売却益をもとに、2000年1月ニュース専門のインターネット放送局ビデオニュース・ドットコムを立ち上げ、現在に至る。

wikipedia:神保哲生　人物

って辺りも、いち早くアメリカの衛星チャンネルに目を付けて他のチャンネルに上手く売り抜けた、以上のものってあるんかい？　いや神保さんの商才は凄いとは思うけど、

CS事業やインターネット放送事業について、「ビデオジャーナリストがその真価を発揮できる場所がないため」と説明し、地上波テレビが公共性よりも視聴率を優先した娯楽路線にシフトしたことを批判している。

と誇らしげに語るほどのことかね？

宮台のメディア批評・社会批評がいつも何処か嘘くさいのは、こうしたメジャー・マイナーのメディア周辺に滞留する人々に漂うある種の「生ぐささ」が匂ってこないからだと思う。別に神保哲生はジャーナリズムの理想に向かって邁進する聖者でも何でもないだろう。それは神保と親しいらしい金平茂紀がそうではないのと同じことですよね。ちなみに金平茂紀（ＴＢＳ報道局アメリカ総局長）って実は「株式会社　TBSテレビ」の執行役員でもある（http://www.tbs.co.jp/company/information/yakuin.html）

（6）主要メディアのエディトリアルの劣化、代替メディアとの不毛な競合。外からみていると、クサナギ君報道やのりピー報道が連日、一斉に横並びでテレビのトップ項目を張り続けるエディトリアルのセンスは異様にうつった。ありていに言えば、もっと大事なことがあるだろう、ということ。報じるな、と言っているのではない。それがニュースという公的な情報空間で、最も重要という評価が編集過程で行われ、取材のための相当のエネルギーが注がれた事態について、少数でも自覚的であるメディアがなかったのか、という思いが残るのだ。

（7）日本の外からみていると、最高裁のビラまき有罪確定判決とか、警察による写真家・篠山紀信の撮影行為（1年以上前の）に対する一斉家宅捜索など、何だか日本がどんどん「警察国家」の方向に突き進んでいっているようにみえること。また、それに対してメディア・表現者・知識人らの側から強い抗議・疑問の声があまり出てこない状況。同じことがアメリカで起きたら、確実に大きな表現の自由論争になると思うので。

あと３時間で終わる2009年を回顧する　2009年12月31日 21:00　金平茂紀の『NY発・チェンジング・アメリカ』

http://www.the-journal.jp/contents/ny_kanehira/2009/12/2009.html

・・・おいおい、当のてめえこそがその日本の「劣化」した「主要メディア」の「執行役員」じゃねえか、このヴォケ。

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