東京都目黒区の元会社役員、大原道夫さん(87)夫妻が殺傷された事件で、殺人容疑などで逮捕された福島県いわき市の木村義昭容疑者(65)の長女が韓国で入院し、木村容疑者が韓国に渡航しようとした直前に逮捕されていたことが12日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、生活に困窮していなかった木村容疑者が、昨年秋には約15年来の知人から数百万円の借金をしていた。警視庁目黒署捜査本部は、木村容疑者が娘の入院費用を捻出するため犯行に及んだとみており裏付け捜査を進める。また、同容疑者に任意同行を求めたのは福島空港付近だったという。
木村容疑者は、大原さん宅を訪れる際、大手百貨店の配送を装ったことについて「大手百貨店を名乗れば玄関を開けてくれると思った」と供述していることが判明。また「目黒には初めて行った。東京の高級住宅地は目黒と田園調布というイメージがあったが、田園調布への行き方が分からなかった」とも話し、「大原さんに申し訳ないことをした」と謝罪の言葉を口にしている。