京春線電化で生まれた新たな光景(下)
江原大3年のイ・ヨングンさん(25)は「大学を休学し、ソウル市内に部屋を借りて、英語教室に通おうと考えていたが、京春線が電化されたおかげで、休学せずにソウルの英語教室へ通えるようになった」と話した。
また、同大3年のチェ・ウォンチョルさん(25)は、京春線が電化されてからの1カ月間に12回もソウルへ行ったという。チェさんは「彼女と一緒に大学路でミュージカルを見たり、明洞で遊んだり、ロッテワールドにも行ったりした。デートコースが多様になった」と語った。
■春川へ遊びに行くソウルの高齢者たち
南春川駅の利用者数は1日平均で約3万人。同駅の関係者は「午前11時から午後2時の間、ホームで電車を待つ人の大部分はソウル方面へ向かう大学生や若者たちだ」と話した。
日が沈むころになると、今度は反対方向からの人々の大移動が始まる。春川の若者たちは春川へ、ソウルの高齢者たちはソウルへと帰っていく。ソウル・上鳳駅は午後6時から8時にかけ、上り電車で到着したソウルの高齢者たちと、下り電車に乗って春川へ向かう若者たちで、駅構内が市場のようにごった返す。
春川の剣峰山から帰ってきたソウル市内在住のオ・ヨンファンさん(67)は「春川は空気がよく、しかも1万ウォン(約740円)で行って来られる。1カ月の小遣いが30万ウォン(約2万2000円)ほどだが、気軽に行ってこられるようになった」と語った。一方、ソウル・新村から春川へ帰るという江原大3年のキム・ジョンヨンさん(22)は「以前は3カ月に1回ほど、友人たちとバスに乗ってソウルへ洋服を買いに行ったが、最近は電車に乗り、2週間に1回ほど行くようになった」と話した。
南春川駅のシン・ヨンス駅長は「並んで座り、窓の外の景色を楽しむ老夫婦も、おしゃべりに夢中な若者たちも、昔のロマンがそのまま生きているように見える。ほかの路線とは雰囲気が違う」と語った。