業態も大きく変わらざるを得ない。メディアに詳しいジャーナリストの佐々木俊尚氏は、従来の巨大テレビ局は消えると言い切る。
「テレビ局はコンテンツ制作屋になって生き残る以外、道はありません。ところが、いまのキー局は実際にはコンテンツを作っておらず、制作会社に丸投げしている。コンテンツを作れないテレビ局は消えていくしかないでしょう」
実際に番組を作っている制作会社と、番組を見ている視聴者の間に入って"中抜き"しているのはテレビ局だ。しかも中抜きの仕方が異常なのだ。
『あるある大事典Ⅱ』の不祥事で明るみにでたことだが、スポンサーの花王が関西テレビなどに払ってきた1億円のうち、孫請けとなる制作会社に支払われていたのは、たったの860万円。広告代理店やテレビ局側が実に91%もの中抜きをしていたのである。
「コンテンツを人任せにし、中抜きで生きてきたテレビ局は、崩壊したほうが視聴者のためになる。そもそも、ろくにモノも作らず年収1200万円以上の高給を食はんできたテレビマンは、年収500万~600万円の普通の給料取りになるのが当たり前なんですよ。
消費者にとっていちばんいいのは、制作会社と視聴者が直結する仕組みができること。インターネット上で好きな番組を好きな時間に見られるようになるのが理想です」(前出・佐々木氏)
元は「大衆の娯楽」であったはずのテレビだが、いつのまにか作り手の感覚が一般人と乖離してしまっているという現実。再生への道は長く険しい。
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