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「夕刊フジ」が赤字転落リストラで苦境打破へ

2007年9月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

中心購読者層である団塊世代の大量リタイアが始まり、部数減が続いていている夕刊紙の中で、フジサンケイグループの夕刊フジが、ついに赤字に転落。休刊を視野に入れた大なたを振るう、との観測が流れている。

オウム真理教事件が世を騒がせた十数年前はスクープを連発し、40万部前後(公称150万部)の販売部数を誇った同紙も、団塊世代の退職に加え、若年層をフリーペーパーやフリーマガジンに奪われ元気がない。「駅売店で120円を出して夕刊紙を買うのはダサい中高年」などと揶揄されている。

最近では、JR東日本などで駅ホームのキヨスク廃止が加速し、販売窓口の激減が追い打ちをかける。直近の部数が実売10万部台に落ち込み危機的な状況となった。

「読者構造、販売チャンネルの変化についていけない現状では、読者を維持することが難しい」と、産経新聞経営陣のもとでさまざまな改革案が検討された。まず、若者向けに内容を刷新する案が出たが、フリーペーパーに馴れた若者を捉える有料の夕刊紙を作るのは容易ではなく、既存読者の離反を招きかねない。競合紙である日刊ゲンダイを買収して、唯一最大の夕刊紙になる構想も浮上したが「先細りの夕刊紙が一緒になっても、結局は元の木阿弥」と却下されたという。「ゆくゆくは休刊する」(産経幹部)方向で検討を続ける模様だが、当面は編集幹部のクビの挿げ替え、大なたとは程遠い経費削減策で乗り切ることになった。

抜本改革が見送られた背景には、夕刊フジ(会社組織は産経の夕刊フジ編集)が産経に上納(年間約20億円)するシステムをストップすれば、夕刊フジ単体の黒字を維持できる内部事情がある。産経の前年度の経常利益は、前期比35%減の30億円。新聞業界不況のご多分に漏れず、産経も販売部数と広告収入の減少というダブルパンチを受けている。産経本体が赤字転落しないように、夕刊フジにはリストラで苦境打破を期待することになった。

   



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