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スイス、ムバラク氏一族の資産凍結指示 5兆円報道も

2011年2月12日13時9分

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 【カイロ=前川浩之】エジプトのムバラク大統領が辞任したことを受け、ムバラク氏の巨額の金融資産が存在する可能性が取りざたされてきたスイスが11日、ムバラク氏と家族、ムバラク氏側近ら12人を対象に、スイス国内の銀行などにある資産を最大3年間凍結する政令を出した。「国有財産の横領を防ぐため」としている。

 カルミレイ大統領が11日付で政令を出した。ムバラク氏や次男ガマル氏ら一族7人のほか、国外逃亡が疑われているマグラビ前住宅相や、人権侵害の疑いで訴追準備が進むアドリ前内相ら政権幹部5人の計12人を名指しし、スイス国内のすべての金融機関に調査と、判明した銀行口座の預金や有価証券などのすべてを凍結するよう命じた。

 スイス政府は「額は確定していない」とした。英紙ガーディアンは2月初旬、中東専門家の話として、ムバラク一族が持つスイスの口座や英ロンドンの不動産などの資産の合計は最大約700億ドル(約5兆8千億円)と推定されると報じている。

 スイスの銀行は、顧客情報を第三者に漏らすと刑事罰になる銀行法を悪用した途上国の独裁者らの資金の受け皿になってきた。イメージ改善を図るため、スイスは今年から新法を施行。凍結資産の持ち主の国家元首らが、国有財産横領で有罪とされた場合などには、その国の国民に還元できる仕組みを導入した。

 今回のムバラク氏の資産を巡っても、スイス政府は新法に基づいて今月初めに調査を開始。資金の出入りを監視し、辞任時の凍結に備えていた。先月には、民衆デモで倒されたチュニジアのベンアリ前大統領や、選挙結果を受け入れずに居座るコートジボワールのバグボ大統領の資産も同様に凍結している。

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