欧州版IMF:13年半ば創設で正式合意へ

2010年12月14日 2時30分

 【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)が財政危機に陥ったユーロ導入国に融資を提供する欧州版の国際通貨基金(IMF)を13年半ばに創設することで正式合意する見通しとなった。恒久的な支援の仕組みを整備することでユーロ防衛に取り組む決意を表明する。16、17日にブリュッセルで開くEU首脳会議で合意を盛り込んだ議長総括文書を採択する。

 欧州版IMFの正式名称は「欧州安定メカニズム」。ギリシャ危機脱却のため3年間の時限措置として整備されたユーロ防衛基金の期限が13年6月で切れることから、後継の常設支援制度となる。EUの基本条約「リスボン条約」はユーロ導入国の救済を原則として禁じているため、一部修正する。

 毎日新聞が入手した議長総括の原案によると、ユーロ圏の運営を定めた条項にユーロ安定のための仕組みを創設する選択肢を盛り込む。ただし、支援の実施には「厳格な条件」を付けるとしている。13年半ば以降に欧州版IMFを使って財政悪化国を支援する際、当該国の国債を持つ民間投資家に一定の損失負担を求める可能性があることも明確にする。修正は加盟国による承認手続きを経て13年1月1日に発効の予定。

 原案は欧州版IMFの資金規模や、一部加盟国が求める欧州共通債券の発行などには触れていない。

top

PR情報

スポンサーサイト検索

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド