米国海軍は、新型無人戦闘機「X-47B」の試作機の初飛行に成功し、この技術において大きな進歩を遂げたと発表した。X-47Bはコウモリ型の翼を持ち、空母から離着陸できるように設計されている。空母からの離着陸は、航空技術上、最も複雑かつ難しい分野だ。
この試作機は米軍需大手ノースロップ・グラマンが製造した。4日、カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地で初の試験飛行が行われた。今回行われた29分間の試験飛行は、現在の無人飛行機で可能な陸地からの離着陸だけでなく、空母の甲板上での離着陸が無人戦闘機でも可能であることを示すために計画されたものだ。
エドワード基地での初飛行後、試作機はメリーランド州の海軍飛行場に運搬され、空母上での着陸の適性を判断するために、さらに陸上ベースの飛行実験が実施される予定だ。空母上での試験は2013年に行われることになっている。
X-47Bの初飛行によって、無人飛行機技術がここ数年で劇的に進歩したことが明らかにされた形だ。アフガン戦争における米国の偵察・攻撃任務は同技術に依存している。地上から操縦されるプレデター無人機とは異なり、X-47Bは事前にプログラムされたルートを飛行するなど、より自立的な飛行が可能になる。
ノースロップ・グラマンは2007年、ライバルのボーイングとの競争の末、6億3600万ドルに上る海軍との契約を獲得し、空母からの操縦が可能な無人機2機の製造を請け負った。ボーイングは引き続き、ファントム・レイと呼ばれるステルス型の無人戦闘機の開発を自社負担で行っている。
空母から操縦可能で空中給油できる無人機の開発が成功すれば、空母への攻撃を回避しながら空爆可能な領域を拡大できる。