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[事件]ニュース トピック:日本の議論
【日本の議論】ウイルス作成罪成立に向けて 相次ぐサイバー犯罪が背景
海外との約束
相次ぐサイバー犯罪を国際的な枠組みで監視し、加盟国が取り締まりのための協力体制などを構築するサイバー犯罪条約が欧州評議会の発案で13年に採択された。日本や米国など30カ国が署名しており、ウイルス作成罪の成立は条約で定められた取り締まりのための国内法整備という位置づけでもある。
法務省刑事法制管理官室の担当者は「条約を担保し、サイバー犯罪抑圧のための必要な刑事手続きを実施することが必要だ」と話している。
一方、日弁連は共謀罪同様、ウイルス作成罪の成立にも反対を表明。被害が発生する抽象的な危険がない場合でも、ウイルス作成罪で重い刑が科せられることに懸念を示す。他人のパスワードなどを不正に取得して、ネットワークへ不正侵入する行為を取り締まる不正アクセス禁止法では、罰則が1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金と定めているため、「ウイルス作成罪の罰則は重すぎる」と考えるためだ。
早期成立に期待
法務省はウイルス作成罪に対する懸念について、改めて条文内容を検討する姿勢を示しているという。さらにインターネット社会の到来で一般国民がコンピューターの使用を日常的に行っている現状から、石井教授は「社会背景の変化を背景に、法体系も変えていく必要がある」と強調する。
法務省は悪意ではなく、善意で作成したプログラムがウイルスとして頒布された場合を想定。悪意を立証する必要性に迫られるのはあくまでも検察側であり、制作者が裁判において自らの善意を立証する必要はないとしている。
石井教授は「不正アクセス禁止法など、これまで局面に応じた特別法の制定でサイバー犯罪に対処してきた。犯罪者といたちごっこを繰り返すことを避けるためにも、抜本的な法整備を実施しなければならない」と強調し、ウイルス作成罪の早期成立の必要性を説いている。
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