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[事件]ニュース トピック:日本の議論
【日本の議論】ウイルス作成罪成立に向けて 相次ぐサイバー犯罪が背景
2010.9.12 07:00
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警視庁に逮捕されたこの男の供述によると、20年の事件に比べ自らのプログラミング技術がどの程度高まったかを試すことなどがばらまきの目的だったといい、これまでに計3度、サイバー犯罪で警察の摘発を受けている。他県でサイバー犯罪を取り締まる捜査関係者は「このままでは、遊び半分の気持ちで同様の事件を起こす犯人の登場が後を絶たない」と警鐘を鳴らす。
直接罪に問えない現状
“イカタコ事件”で適用された罪名は、あくまでも他人の所有物などを壊した際に適用される器物損壊罪だ。男の供述内容をみると、作成したウイルスは明白な悪意を持ってばらまいている。しかし作成と頒布を直接的に取り締まる罪名がなかったため、器物損壊罪で立件したことは捜査担当者にとっては苦肉の策だったといえる。
「器物損壊罪での立件は警察にとってチャレンジングな判断だった。裁判所の判断が待たれるが、ウイルスの使用でコンピューターの中身だけを壊しており、外部的な力を加えていないことは罪に問う上でかなり苦しいのではないか」
千葉大学大学院で刑法が専門の石井徹哉教授(49)はこう分析する。
京都府警は20年の事件で、アニメキャラクターを無断で使用したことによる著作権法違反容疑での立件しかできなかった。当時の担当者は「どの容疑事実で立件するか、難しかった」と漏らしている。
先述の捜査関係者も「ウイルスの頒布自体を取り締まることができなければ意味がない」と話しており、ハイテク犯罪の担当者にとって、ウイルス作成罪の成立は悲願となっている。
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