県民1人は0.5票 1票の格差判決

高裁那覇「不平等明らか」

2011年1月26日 09時40分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 最大5倍の「1票の格差」が生じた昨年7月の参院選挙は「違憲状態」とした25日の福岡高裁那覇支部判決。橋本良成裁判長は判決理由で、「5倍にも及ぶ投票価値の不平等を正当化すべき特別な理由は何ら認められない」と指摘。その上で、沖縄選挙区について「議員1人当たりの有権者が最少の鳥取選挙区を1票とした場合、沖縄選挙区の原告は約0・5票しか与えられていないと評価でき、原告の平等権は議員定数配分規定によって侵害されていることが明らか」と踏み込んだ。

 一方、「国会が一応投票価値の格差を解消するための措置をとってきたことを考慮すると、国会の裁量権の限界を超えたものであるとはいえない」として、「違憲とまではいえない」と、選挙の無効請求は退けた。

 判決を受けて取材に応じた原告の林朋寛弁護士は「『違憲状態』を認めた点は評価できるが、『1人1票の実現』に触れていないことは不満。今後の国会における是正に期待したい」と話し、上告する方針。

 県選挙管理委員会の阿波連本伸委員長は「判決文を十分に検討していないので具体的なコメントは差し控えたい。委員会としては今後とも選挙の適正な管理執行に努めたい」とのコメントを出した。

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