学生之新聞BLOG 紙面連動
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2010年8月17日

父と子 ふれあいをサポート 日本赤十字豊田看護大生

流しそうめん、田植え…月1回遊ぶ日を企画、運営

流しそうめんを楽しむ参加者の親子=愛知県豊田市の日本赤十字豊田看護大で

 日本赤十字豊田看護大(愛知県豊田市)の学生が今年、父親の育児参加を促す月1回の「父と子の日」の企画と運営を始めた。「父と子の日」は5年前に始まり当初、学生は子どもの相手が中心だったが、運営を任されるようになって新たなイベントを次々打ち出している。(豊田支局・渡辺陽太郎)

 「父と子の日」は毎月第4土曜の午前9~午後5時、日本赤十字豊田看護大の施設内で開く。対象はゼロ歳児から小学校6年生の子どもと父親。母親は参加できない。田植えなどのイベントや室内外の遊びを通じ、父と子が触れ合う。

 7月のイベントは流しそうめんだった。そうめんを流す竹を参加者全員で組み立て、めんは料理好きの父親がゆでた。初体験の子どももおり、はしで上手にすくえず「とれない」と困り顔。学生や父親にとってもらい口に運ぶと「おいしい」と笑顔を見せた。

 このイベントは学生が考えた。これまで活用し切れなかった参加者アンケートの「季節感のあるイベントを開いて」との要望に応えた。9月の親子似顔絵大会も要望を反映して計画した。学生65人でつくる運営サークルの副部長で看護学部2年の松本千尋さん(20)は「大変だけど、参加者の笑顔ですべて忘れられる」と話した。

 「父と子の日」の発案者である日本赤十字豊田看護大の端谷毅教授は「学生が運営主体になった今年は勝負の年」とする。従来は地域の子育て経験者の力を借り、学生は子どもの遊び相手が中心だったが、「これまでの経験で力をつけた」とみて全体を委ねた。

 運営サークル部長で看護学部2年の梅崎桃子さん(19)は「自分たちで新たな活動ができるとわくわくした」。3、4年生は実習で忙しく、運営は1、2年生が中心。勉強との両立もあるが、梅崎さんは「メンバーは子ども好き。楽しく活動できる」と強調した。

母親には育児の息抜きに

 「父と子の日」は、父親に子どもやほかの父親との交流を通じて子育ての楽しさを感じてもらうのが目的。母親には短時間でも子どもと離れる時間をもってもらい、子育ての心の負担を和らげる狙いもある。

 学生たちは父親と子どもがうまく遊べるように手助けをしてきた。参加者の中には豊田市から千葉県に転勤してからも、時折「遠征」してくる父子も。学生たちが手探りで進めてきたサポート活動は好評なようだ。

料理のメニューやイベントについて話し合う梅崎さん(右)と松本さん=愛知県豊田市の日本赤十字豊田看護大で

 松本さんは「活動は大学の勉強にも役立っている」と強調する。小児看護の現場では子どもの年齢によって何ができて、どんな行動をとる傾向にあるかを把握しておくことが重要になるからだ。メンバーたちは看護師や保健師を目指しており、梅崎さんと松本さんは「活動の経験を社会で生かしたい」と意気込んでいた。

 「父と子の日」の参加には登録が必要。年会費500円のほか、参加ごとに参加費や食費が必要。申し込み、問い合わせは日本赤十字豊田看護大=電0565(36)5111。

(写真上)流しそうめんを楽しむ参加者の親子=愛知県豊田市の日本赤十字豊田看護大で
(写真下)料理のメニューやイベントについて話し合う梅崎さん(右)と松本さん=愛知県豊田市の日本赤十字豊田看護大で

編集部|2010年8月17日 11:25 am|コメント(0)


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