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 2011/2/11(金)
 鳥羽水族館 長期飼育世界記録 ジュゴン死ぬ
【長期飼育世界記録を更新し、死亡したジュゴンのじゅんいち(鳥羽水族館提供)】
 【鳥羽】鳥羽市の鳥羽水族館で、長期飼育世界記録を更新していた雄のジュゴン「じゅんいち」が十日午前八時二十五分、死亡した。じゅんいちは推定で三十三歳、三十一年五カ月という長い期間を同水族館で過ごし、雌のセレナとの間に二世誕生を期待されていただけに、関係者はショックを受けている。

 水族館によると、じゅんいちは一月中旬から餌の量が減り始め、二月に入ると通常の半分ほどしか食べなくなっていた。十日朝、水槽に横たわる姿を職員が見つけ、治療用のプールに移し獣医師が心臓マッサージを試みたが、再び水槽に戻ることはなかった。死因は現在、病理解剖で究明中。

 同館のジュゴンは、昭和五十二年五月に雌のジュンコが入館し、同年九月には雄のジュンタローが入館するも十七日間で死亡。ジュンコのお婿さんとして同五十四年九月にフィリピンで捕獲されたじゅんいちが入館。同六十年に亡くなったジュンコに代わり、同六十一年にはセレナが入館し、二頭が飼育されていた。

 入館からじゅんいちの飼育にかかわってきた浅野四郎副館長(61)は、「当時は餌も飼育方法も手探りだったがアマモなどの海草が餌と分かった。海草では栄養にならず、体調を崩すと大変な思いをしてきた。今回も回復してくれると思っていたのに」と言葉を詰まらせた。

 ジュゴンの飼育はじゅんいちの死により、同館のセレナを含め世界で五頭だけとなった。ワシントン条約により、国際間での商取引が禁止されている生き物だけに、古田正美館長は「死因を特定し、飼育記録を残してくれたじゅんいちに恩返しできるよう、セレナの飼育を続けていきたい」と話した。

 来館して悲報を知った大阪の家族連れは、「ペアの姿を楽しみしていたのにショック」と話していた。同館は、人魚の海ゾーンにあるじゅんいちの水槽前に十一日から写真と献花台を設置する。




  
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