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工事代金、17年も放置 建設会社松田奈良市議がオーナー

 松田末作・奈良市議会議員(68)の妻が代表を務め、松田氏が実質的なオーナーである松田建設(奈良市二名3丁目)が、下請けの水道設備業者に約250万円の工事代金を12年近くも放置し、いまだに未払いであることが、奈良日日新聞社の25日までの調べで分かった。この業者は、松田氏とは小・中学校の同級生。工事は平成5年から6年にかけて実施されており、この間、自分の都合で一部を支払うなどしたが、17年近くも未払い状態が続いていたことになる。この業者は「先生とおだてられ、裏で悪いことをする。政治家として許し難い。ほかにも泣いている業者がいる」と怒りを隠せない。松田氏は本紙の取材に対して、未払い金があることを認めたが、「いつでも払うから、取りに来たらええがな」と開き直る始末。政治家としての資質が厳しく問われそうだ。


 この水道設備業者の話によると、未収金があるのは平成5年から6年にかけて松田氏から依頼を受けた3件。5年に行った富雄川西町の排水枝管改良工事と奈良市富雄北地区の宅地造成に伴う給排水設備工事、6年の同町の新築住宅1戸の給排水設備工事。
 この3件の工事代金は計595万7000円となるが、何度も請求したものの、5年から6年にかけて松田氏から3回に分けて支払われたのは240万円のみ。355万7000円については全く無視され、未収金として残ってしまった。
 ところが4年後の10年8月、突然、松田氏自身が訪れ「住宅に水道管を通すため、認可業者である君の会社の印鑑が欲しい」と懇願。この業者が「残金はどうしてくれるのか」と問い詰めると、松田氏は100万円を出し「とりあえず、これだけで辛抱してほしい。後の未払い金はおいおい払うから」と約束したという。
 この業者は、小・中学校の同級生で、まして市議会議員で特別養護老人ホームを経営する社会福祉法人理事長という松田氏のことであり、信頼して印鑑を押したという。
 しかし、12年近くたった今も、残金の255万7000円について1円の支払いもなく、放置したまま。最初の工事から17年たっても代金が全額支払われていないことになる。
 この水道設備業者は「自分の都合で一部支払い、残りはおいおい払うというから、信じて待っていた。長年の友人で政治家でもあり、信頼するのが当然と思っていた」と、松田氏の“裏切り”に激怒。「正義をかざして政治家として威張るのもいいが、裏で悪いことをするのは許されない。泣いている業者はほかにもある。政治家以前の問題で、人としてやるべきことではない」と怒りを抑えきれない様子だ。
 松田氏は本紙の取材に「手元に資料がないので、はっきり数字は分からないが、それぐらいの未払い金が残っていることは事実だ。支払ってほしかったら、その業者にいつでも集金に来るよう言っておいてくれ。いつでも払うがな」と無責任極まりない態度に終始。
 同級生で友人という関係に甘え、支払うべき工事代金を支払わず無視するというのは、政治家として、福祉に携る人間としてあるまじき行為といえ、松田氏への厳しい批判の声が高まりそうだ。[04月26日]

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