$Date: 2008/10/30 02:30:02 $
URLフィルタ機能とは、HTTP通信においてアクセス可能なURLを制限する機能です。内部データベース参照型URLフィルタ機能ではURLの全部または一部をキーワードとしてルーターに登録し、そのキーワードと一致した文字列を含むURLへのアクセスを制限することができます。また、フィルタ設定時に始点IPアドレスを指定することで、特定のホストまたはネットワークからの接続を制限することもできます。
主な仕様は以下の通りです。
ヤマハRTシリーズでは以下の機種およびファームウェアで、内部データベース参照型URLフィルタ機能をサポートしています。
機種 | ファームウェア |
---|---|
RTX1200 | Rev.10.01.07以降 |
SRT100 | Rev.10.00.08以降 |
RTX3000 | Rev.9.00.31以降 |
RTX1100/RT107e | Rev.8.03.60以降 |
例えば、
url filter 1 pass www.yamaha.co.jp
url filter 2 reject yamaha
url filter 3 pass *
url lan2 filter out 1 2 3
のような設定を行った場合、http://www.yamaha.co.jp/へはアクセスできますが、
http://www.aaaa.com/yamaha/ へのアクセスは遮断されます。
url INTERFACE filter コマンドへのフィルタの登録を
url lan2 filter out 2 1 3
のように順番を逆にすると、http://www.yamaha.co.jp/ への アクセス、および、http://www.aaaa.com/yamaha/ へのアクセスの両方が遮断されます。
ホスト www.yamaha.co.jp のIPアドレスを 172.16.0.1 とします。
url filter 1 reject www.yamaha.co.jp
url filter 2 pass *
url lan2 filter out 1 2
上記設定において、http://www.yamaha.co.jp/へのアクセスは遮断されますが、http://172.16.0.1/へのアクセスは遮断されません。
以下のMIB変数で、URLフィルタが適用された統計情報を取得することができます。
ID ... | フィルタ番号(1..65535) |
KIND | |
|
|
KEYWORD | |
|
|
SRC_ADDR ... IPパケットの始点IPアドレス | |
|
|
MASK | |
|
URLによるフィルタを設定する。本コマンドで設定されたフィルタ は、url INTERFACE filterコマンドで用いられる。
指定されたキーワードに、大文字のアルファベットが含まれる場合、それらを小文字に変換して保存する。
Rev.10.00.38以降、Rev.9.00.31以降、Rev.8.03.75以降で、SRC_ADDRをコンマ(,)で区切って複数指定することができる。
INTERFACE ... | LANインタフェース名 |
DIR | |
|
|
LIST ... | 空白で区切られたURLフィルタ番号の並び(512個以内...RTX3000, 128個以内...RTX3000以外の機種) |
url filterコマンドで設定したフィルタを組み合わせて、インタフェースで送受信するHTTPパケットのURLによって制限を行う。
設定できるフィルタの数は、RTX3000では512個以内、RTX3000以外の機種では128個以内、またはコマンドライン文字列長(4095文字)で入力できる範囲内である。
指定されたすべてのフィルタにマッチしないパケットは破棄される。
フィルタは設定されていない。
LIST ... | 空白で区切られたポート番号の並び(4個以内) |
URLフィルタでチェックを行うHTTPのポート番号を設定する。
80
INTERFACE ... | LANインタフェース名 |
PEER_NUM ... | 相手先情報番号 |
TUNNEL_NUM ... | トンネルインタフェース番号 |
インタフェースに適用されているURLフィルタの中で、どのフィルタに何回マッチしたかの統計情報を表示する。インタフェースが指定されない場合は、すべてのインタフェースの情報を表示する。
表示される内容は以下の通り。
url filterコマンドで、キーワード、IPアドレスの両方に"*"を設定したフィルタがインタフェースに適用されている場合、HTTPコネクションがこのフィルタとマッチした回数は表示されない。
INTERFACE ... | LANインタフェース名 |
PEER_NUM ... | 相手先情報番号 |
TUNNEL_NUM ... | トンネルインタフェース番号 |
URLフィルタの統計情報を消去する。インタフェースが指定されない場合は、すべてのインタフェースの情報を消去する。
URLフィルタで破棄するパケットの送信元にHTTPレスポンスを返す動作を設定する。
ブロック画面には、一致したキーワードまたは、アクセスを遮断した理由を表示する。
URLを指定した場合、実際にリダイレクトするときには指定したURLの後ろに"?"に続けて以下の内容のクエリを付加する。
URLに http:// または https:// で始まる文字列以外を設定することはできない。
HTTPサーバ機能に対応した機種では、redirectを設定してWebブラウザにブロック画面を表示する場合、httpd service onの設定が必要である。
HTTPサーバ機能に対応していない機種でredirectを指定する場合、URLを省略することはできない。
URLはRev.10.00.38以降、Rev.9.00.31以降、Rev.8.03.75以降で指定できる。
off | ... RTX3000 |
redirect | ... 上記以外の機種 |
フィルタにマッチした際にログを出力するか否かを設定する。
onを設定した場合でも、url filterコマンドで KINDにpass、pass-nolog、またはreject-nologを指定したフィルタにマッチした場合はログを出力しない。
Rev.10.00.38以降、Rev.9.00.31以降、Rev.8.03.75以降で使用可能。
on
内部データベース参照型URLフィルターおよび、外部データベース参照型URLフィルターを使用するか否かを設定する。
Rev.10.00.31以降、Rev.9.00.31以降、Rev.8.03.75以降で使用可能。
on
PP[1]インタフェースへの設定例
url filter 1 reject * 192.168.0.100 ... (1) url filter 2 reject info * ... (2) url filter 3 reject yamaha 192.168.0.2-192.168.0.10 ... (3) url filter 4 reject http://aaa.bbb.ccc/ * ... (4) url filter 1000 pass * * ... (5) pp select 1 url pp filter out 1 2 3 4 1000 ... (6) (1)... 192.168.0.100 のホストからすべてのURLへのアクセスを禁止する。 (2)... すべてのホストから、info を含むURLへのアクセスを禁止する。 (3)... 192.168.0.2-192.168.0.10の範囲のホストから、yamahaを含むURLへのアクセスを禁止する。 (4)... すべてのホストから、http://aaa.bbb.ccc/へのアクセスを禁止する。 (5)... すべてのホストから、すべてのURLへのアクセスを許可する。 (6)... (1)〜(5)のフィルタをPP[1]の出力方向のHTTPコネクションへ適用する。
show url filterコマンドの表示例
# show url filter pp 1 pp 1 [OUT]: フィルタ番号 始点IPアドレス 回数 ---------------------------------------- 1 192.168.0.10 29 2 192.168.0.27 10 3 192.168.0.74 917 4 192.168.0.18 83 # インタフェースを指定しない場合 # show url filter LAN 2 [OUT]: フィルタ番号 始点IPアドレス 回数 ---------------------------------------- 19 192.168.100.231 83716 22 192.168.100.18 378 43 192.168.100.172 1058 88 192.168.100.34 1892 324 192.168.100.35 3871 pp 1 [OUT]: フィルタ番号 始点IPアドレス 回数 ---------------------------------------- 1 192.168.0.10 29 2 192.168.0.27 10 3 192.168.0.74 917 4 192.168.0.18 83 pp 2 [IN]: フィルタ番号 始点IPアドレス 回数 ---------------------------------------- 2001 10.129.83.98 1238 2002 172.16.38.137 9 2003 10.211.49.176 328
本機能において出力されるSYSLOGメッセージの一覧を以下に示します。尚、実際に出力される各メッセージの先頭には"[URL FILTER] "というプレフィックスが付与されます。
レベル | 出力メッセージ | 内容 |
---|---|---|
NOTICE(*) | Passed at INTERFACE DIR(NUM) filter: IP_ADDRESS : URL | INTERFACEのDIR方向に適用したフィルタ番号NUMのフィルタにマッチした、IP_ADDRESSからURLへアクセスするパケットを通過させた。 |
Rejected at INTERFACE DIR(NUM) filter: IP_ADDRESS : URL | INTERFACEのDIR方向に適用したフィルタ番号NUMのフィルタにマッチした、IP_ADDRESSからURLへアクセスするパケットを破棄した。 |
(*) | RTX3000、RTX1200、SRT100のRev.10.00.38以降、RTX1100/RT107eのRev.8.03.75以降。これら以外はDEBUGレベルで出力される。 |