お札よもやま話:その2
「新円切り替え苦肉の策」
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通貨を切り替えるにあたっては、様式を変更し、旧様式券の流通を停止するのが普通のやり方です。事実、昭和21年半ばには新しいお札であるAシリーズ券の発行準備が進められていました。
- Aシリーズ券は新円切替えに対応するために発行されることとなった訳ですが、新円切替えの実施予定日が当初の昭和21年8月から同年2月へ半年も繰り上がったこともあって、印刷製造が間に合わなくなりました。このため、当分の間、旧券に証紙を貼って、これを新しいお札として扱うという苦肉の策が採られることになりました。
- この策には全国各地への運搬が簡単(証紙を運搬すれば足りる)などの長所がありましたが、1枚1枚のお札に証紙を貼る作業が大変で、日銀職員ばかりでなく金融機関の職員も総動員して、新円発行前の1週間ほどは徹夜の作業が続きました。こうした中、昭和21年2月以降漸次Aシリーズ券の発行が開始されました。
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