2011年2月1日 12時57分
厚生労働省が1日発表した毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、2010年の1人当たりの給与をすべて合計した現金給与総額(月平均)は、前年比0.5%増の31万7092円となり、4年ぶりに増加した。
景気が、リーマン・ショック後の落ち込みから回復に向かい、残業代など所定外給与が増加したことが要因。
残業代などの所定外給与は9.1%増の1万8186円、ボーナスなど特別に支払われた給与は1.5%増の5万3808円となった。
月平均の所定外労働時間は8.9%増の10.0時間。特に製造業では32.3%増の13.9時間と大幅に増加し、現金給与総額を押し上げる要因となった。
厚労省は「リーマン・ショック前の水準には戻っていない」と分析。その上で、経済産業省が鉱工業生産の基調判断を上方修正したことなどから「生産の好調さが持続すれば、賃金上昇も期待できる」としている。
同時に発表した10年12月の現金給与総額(速報)は、前年同月比0.4%減の54万8381円だった。中小企業を中心にボーナスが伸びず、特別に支払われた給与が1.4%減の28万3873円となったことが響いた。
産業ごとに賃金水準や労働時間の変化などを把握するため、厚生労働省が常用労働者5人以上の事業所を対象に毎月実施している調査。計約180万事業所のうち、約3万3000事業所の回答をまとめている。調査結果は、政府の「月例経済報告」などで景気判断の基礎資料として使われたり、失業給付額などを改定する際の判断材料として活用される。