エジプト:「イスラム政権ありうる」イスラエル首相が懸念

2011年2月1日 11時44分 更新:2月1日 12時35分

メルケル独首相(左)と共同会見に臨むイスラエルのネタニヤフ首相=2011年1月31日、AP
メルケル独首相(左)と共同会見に臨むイスラエルのネタニヤフ首相=2011年1月31日、AP

 【エルサレム花岡洋二】イスラエルのネタニヤフ首相は31日、エルサレムで開かれた記者会見で、エジプト情勢と関連して「混乱の中でイスラム主義組織が一国を支配下に治めることはありうる。イランなどで実際に起きたことだ」と述べた。エジプトで最大の反政府勢力である穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」が政権につくことへの懸念を表明した形だ。

 イスラエルを訪問したメルケル独首相との会談後、共同会見に臨んだネタニヤフ首相は、79年にイスラム革命のあったイランを引き合いに「イスラム急進派による圧政は、人権を侵し、平和と安定を危険にさらす」と主張した。首相は前日、事態の推移を見守るため、エジプト情勢に関する発言を控えるよう閣僚に指示したばかりだった。

 一方、メルケル首相は30日にエジプトのムバラク大統領と電話協議し、人権や報道の自由、公正な選挙など各分野の問題点を指摘したことを明らかにした。その上で「ある国には表現の自由や民主的な選挙が大事だと説き、別の国では説かないなどと、適用する価値観を使い分けることはできない」と語った。

 イスラエルのメディアは、ムバラク大統領を「見捨てた」などと欧米諸国を批判している。メルケル首相は、これに反論し、ネタニヤフ首相の姿勢とも一定の距離をおいた。

 両首相は会談でエジプト情勢の他、中東和平交渉について協議した。メルケル首相は、イスラエルによる入植活動の停止を求めたことを明かした。

top

PR情報

スポンサーサイト検索

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド