新燃岳:4回目の爆発的噴火 噴煙2000メートルに

2011年2月1日 9時37分 更新:2月1日 13時35分

大きな爆発音と共に空高く噴煙を上げる新燃岳=宮崎県高原町で2011年2月1日午前7時55分、加古信志撮影
大きな爆発音と共に空高く噴煙を上げる新燃岳=宮崎県高原町で2011年2月1日午前7時55分、加古信志撮影
鹿児島県が大浪池に設置したライブカメラに映った1日午前8時ごろの新燃岳の映像=鹿児島県提供
鹿児島県が大浪池に設置したライブカメラに映った1日午前8時ごろの新燃岳の映像=鹿児島県提供

 宮崎、鹿児島県境にある霧島山系・新燃(しんもえ)岳(1421メートル)で1日午前7時54分、2日ぶりに爆発的噴火が起きた。鹿児島県霧島市内の病院や旅館で窓ガラスが割れる被害が相次ぎ、同市牧園町の病院では入院患者の女性(92)が顔を切る軽傷を負った。火砕流の発生は確認されていない。

 鹿児島地方気象台は、今回の爆発的噴火で火口部の溶岩ドーム(直径約500メートル、高さ約150~200メートル)の先端部分が吹き飛んだとみられると発表した。同気象台が設置したカメラや、県消防・防災ヘリの映像などから判断した。

 新燃岳の噴火活動が活発化した1月26日以降、爆発的噴火は4回目。同気象台によると、この爆発で、新燃岳から南西約3キロにある鹿児島県霧島市湯之野の空振計では458パスカルを観測。これまでの最大値は先月28日の82パスカルで、今回はその5倍強にあたる。噴煙は火口から約2000メートルまで上昇したという。

 噴煙の量は比較的多く、北西の風を受けて宮崎県都城市などに多量の降灰をもたらすとみられる。

 鹿児島地方気象台は今後について「溶岩がどの程度供給されるかにより、注視していきたい」と話している。【福岡静哉】

 ◇ことば 空振とパスカル

 噴火に伴う空気中の圧力変化によって空気の振動が波のように伝わる現象が空振。パスカルは圧力を表す国際統一単位。秒速1メートルで動く1キログラムの物体を秒速2メートルにするのに必要な力(1ニュートン)が、1平方メートルに加わる圧力が1パスカル。その100倍が1ヘクトパスカル。気象庁火山課によると、人が音による空振を感じるのは10パスカルからとされ、数百パスカルになるとガラスが割れることもあるという。

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