プリウス:「エコカー時代」証明 カローラ抜きトップ

2011年1月11日 20時55分 更新:1月11日 21時21分

プリウスとカローラの年間販売の推移
プリウスとカローラの年間販売の推移

 日本自動車販売協会連合会などが11日発表した10年の車名別新車販売台数で、トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)「プリウス」が前年比51.1%増の31万5669台となり、2年連続で首位を獲得した。プリウスは過去の年間販売で最多だった90年の「カローラ」(トヨタ、30万8台)を20年ぶりに抜き、歴代トップ。97年の初代プリウス発売から13年を経ての主役交代で、エコカー時代の本格的な到来が鮮明になった。

 プリウスが快進撃を続けたのは、1リットル当たり38キロの燃費性能の高さに加え、政府のエコカー支援策が販売を後押ししたことが背景にある。現行の3代目プリウスは、政府のエコカー減税と補助金制度が始まった直後の09年5月に発売。最低価格が2代目を約30万円下回る205万円に設定されたことや、ホンダのHV「インサイト」(189万円から)との販売競争など話題性もあり、発売直後は一時8カ月超の納車待ちで、リーマン・ショックで09年3月期に71年ぶりの営業赤字に陥った業績を黒字回復するけん引役にもなった。

 97年に世界初の量産型HVとして発売された初代プリウスは、トヨタが「21世紀を見据えた環境対応車」として開発。化石燃料の枯渇をにらみ、当時、1500CCのガソリン車で1リットル当たり14キロ程度だった走行距離を倍増させる28キロの燃費性能を実現。初代プリウスのチーフエンジニアだった内山田竹志副社長は「ほとんど知識がなかった電池などの開発は困難を極めた」と振り返る。

 03年発売の2代目は燃費を35.5キロに改善。未来的なデザインも人気で、ガソリン価格がじわじわと上昇を始めたこともあり、08年にはカローラに迫る販売を記録した。

 プリウスの独走が続くなか、ホンダがインサイトなどに続いてHVタイプのフィットを昨年秋に発売する一方、日産自動車が電気自動車(EV)「リーフ」を昨年末投入するなど、ライバル各社も環境対応車を続々と拡充。今後も世界的にHV、EVなどによるエコカー競争が激しくなりそうだ。

 一方、カローラは1966年の発売。当時としては斬新なスポーティーさや高級感も人気を集めた。日産自動車の「サニー」をライバルとしつつ、日本の自動車普及期にも重なり、69~01年の33年間、車名別の国内販売台数で1位を維持する大ヒットカーとなった。世界140カ国以上で販売され、販売台数で世界一となったトヨタを支える原動力にもなった。【米川直己】

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