ムバラク大統領辞任 軍に国務遂行指示テレビで、ムバラク大統領の辞任を発表するエジプトのスレイマン副大統領=11日(AP=共同) 【カイロ共同=島崎淳】エジプトのスレイマン副大統領は11日、ムバラク大統領が辞任し、軍の最高首脳会議に国務の遂行を指示したと述べた。国営テレビが伝えた。反政府デモが続いた国内の混乱を収拾できず、9月に予定していた退陣を前倒しした。 約30年間続いたムバラク氏の独裁は、チュニジアで1月に起きた「ジャスミン革命」に触発されたエジプト民衆の抗議行動により幕を閉じた。 憲法の規定では60日以内に大統領選が行われることになっているが、事態の先行きは不透明だ。 大統領は11日、首都カイロを離れ、東部の保養地シャルムエルシェイクに空路到着。大統領はこれに先立つ10日夜の演説で、スレイマン副大統領への権限移譲を発表したが、反政府デモの市民らが求める即時辞任は表明しなかった。 カイロ中心部のタハリール広場には10日夜、辞任表明を予想して10万人以上の市民が集まったが、演説の途中から「辞めろ」などと叫び、辞任拒否に猛反発。デモ隊の一部は11日未明、大統領宮殿付近に移動し、宮殿前で初めてデモを行った。 11日昼のイスラム教の金曜礼拝後には全土で大規模デモが再燃し、広場や宮殿前のほか、北部アレクサンドリアや北東部スエズなどでも多数の市民が大統領辞任を訴えた。フランス公共ラジオは、全土で少なくとも100万人がデモに参加したと報じた。 【共同通信】
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