ひこにゃん:立体物使用権で彦根市が調停違反 地裁が認定

2011年1月8日 17時48分 更新:1月8日 18時5分

彦根市内のコンビニエンスストアで販売されている「ひこねのよいにゃんこ」グッズ=2010年8月撮影
彦根市内のコンビニエンスストアで販売されている「ひこねのよいにゃんこ」グッズ=2010年8月撮影

 滋賀県彦根市の人気キャラクター「ひこにゃん」のグッズなど立体物の使用権を巡り、同市と原作者が対立している問題で、市がひこにゃんの立体物を使用したり業者に使用を許可するのは07年に両者が交わした調停に違反すると、大阪地裁が認定していたことが8日分かった。

 ひこにゃんは07年に開催された彦根城築城400年祭のキャラクター。市などでつくる同祭実行委が公募し、大阪市のキャラクター作家「もへろん」さんの作品を選定。彦根市が著作権を買い取り、商標登録した。

 原作者側は07年11月、考案した3ポーズの図柄以外のグッズが出回っているとして彦根簡裁に民事調停を申し立て、「座る」「跳ねる」「刀を持つ」の3ポーズに限り、市が業者に使用を許可すること▽原作者が3ポーズ以外のイラストを使って創作すること--を認める内容で調停が成立した。

 だが、その後も立体物の扱いなどを巡る両者の対立が続き、ひこにゃんグッズ以外に原作者が考案した「ひこねのよいにゃんこ」のグッズも出回り始め、市は昨年6月、不正競争防止法に基づき、類似グッズの販売差し止めを求める仮処分を大阪地裁に申請。地裁は先月24日、「差し止めを求めることは信義に反し、権利の乱用で許されない」として市の申請を却下した。市がグッズの販売を業者らに許可していることも調停違反に当たると指摘。市は大阪高裁に即時抗告した。

 市側は「地裁の認定は決定事項ではない。グッズの販売は続けられる」としている。【松井圀夫】

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