2011年1月8日 10時58分 更新:1月8日 11時16分
豪雪により年末年始に山陰地方を中心に鉄道や道路など交通機関がマヒし、各地で今冬最低気温を観測するなど、冬本番ともいえる最近の冷え込みについて、気象庁はラニーニャ現象と北極振動の影響とみている。8日朝も寒気が残り、東京都心で前日の1.8度を下回る1.0度の最低気温を観測するなど、東日本から西日本を中心に、この冬一番の寒さを更新。しばらくは厳しい冷え込みが続くという。
ラニーニャ現象は、ペルー沖など東部太平洋赤道域の海面水温が低くなるもので、発生すると東南アジア付近の海面水温を逆に上げ、同地域の大気の活動を活発化させる。その影響で、日本付近を流れる偏西風を南に蛇行させ、寒気が南下しやすい環境を作っている。
また、北極振動は、気圧の変化などに伴って北極圏の寒気が蓄積と放出を繰り返すもので、これが加わったことで冷え込みの厳しさが増している。北極振動は寒気を中緯度帯に放出するが、気象庁によると、ちょうど日本付近が寒気の放出先の一つにあたっているという。
気象庁天気相談所によると、8日朝の最低気温は、さいたま市で氷点下3.6度▽名古屋市同2.2度▽大阪市同0.3度▽福岡市0度--など、各地で今季最低を観測した。8日の日中には西日本から次第に移動性高気圧に覆われるため、いったん寒さは和らぐという。しかし、9日午後以降は再び冬型の気圧配置が強まってきて、東日本から西日本でしばらくは厳しい寒さが続く見込みだ。【飯田和樹】