仙台市を舞台に、女子高のコーラス部員たちの青春を描く映画「コーラスたい♪~彼女たちのキセキ~」の公開が始まっています。主演の水谷妃里さん(20)に映画の見どころや演技への思いなどを聞きました。この連載はこの連載は毎日新聞東京夕刊でも掲載します。【乗峯滋人】
--映画はどんなストーリー?
私が演じる有紀は、仙台のかまぼこ屋さんの娘なんですが、家を継ぐのが嫌で、通訳になるのが夢なんです。それで、市民コーラスフェスティバルの副賞がロンドン旅行ということを知り、海外に行きたい一心で高校のコーラス部に入ります。みんながエネルギッシュに大会に向かっていく、青春映画です。
--歌の練習はかなりした?
仙台だけに「荒城の月」と、オリジナルの曲を歌うんですが、コーラスは、カラオケなんかと違って響かせるように歌わなくてはいけないので、すごく難しかったです。事前にCDをいただいて練習をして、あとは現場に入って先生に見て頂いて。周りのコーラス部員役の方たちも結構経験があったようで、助けてもらいながら何とかできました。
--部員同士仲たがいもあったりする?
方針が違ったりして、けんかをします。でもお笑いコンビのランディーズの中川貴志さんが演じる顧問の先生が野球好きで、部員で野球をやったりしてまた一つになります。
--撮影は仙台で?
はい。昨年の8月はじめに1週間で撮影したんですが、びっちり予定が入っていて、全然仙台を味わえなかったんです。でも、最後の日に電車で松島に行って、牛タンも食べて、思い出になりました。
--どんな風に見て欲しい?
今の高校生って、何かに夢中になったりできないと思うので、この映画を見て、何かに一生懸命になって欲しいし、大人の人たちには青春を思い出して、何か目標に向けて前に進んで欲しいと思います。
--デビューのきっかけは?
妹がテレビを見ていて「私もテレビに出たい」って言って。そのとき、妹はまだ幼稚園で、1人で行かせるのが不安だからって2人で行ったらオーディションに受かって。最初はモデルをメーンでやっていて、ときどきドラマをやらせていただいたり。中2ぐらいから演技中心になりました。
--ご自身のキャリアでポイントになった作品は?
03年公開の映画「チルソクの夏」(佐々部清監督)です。それまでは、演技ってすごい一生懸命やっていたんです。作って演技をして、会話も一方的に言って。でも、佐々部監督に素の自分で自然に演技をするということを教わって、それからは演じることがすごく楽しくなりました。きっと周りが見えるようになってきたから、相手が言っていることも受け止められるし、思いも伝えられるようになったんだと思います。
--今後どんな役を演じたい?
どんな役でも楽しく演じられるようになったから、なんでもやりたいです。自分と正反対の人物を演じるのは演技になっちゃうんですが、そういうのもやりたいなって思います。色っぽい役とか。最近仕事をしているときが、すごく楽しいんです。もう休みちょうだいってなるぐらいだけれど、それがまた楽しかったりして。
--20歳になって変化は?
お酒が飲めるようになって楽しいです。飲んでもあまり変わらないんですよ。飲みに誘われるようにもなったし、年上の方と仲良くなれるようにもなりました。
★会って、ひとこと★
170センチ近い長身と整った顔立ちからは想像しづらい、明るくさっぱりした性格の方でした。今、仕事が楽しくてしょうがない様子。今後、いろんな役に挑戦していかれる姿が楽しみです。
2007年10月12日