政治【主張】党首討論 首相の本気度が問われる2011.2.10 03:02

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【主張】
党首討論 首相の本気度が問われる

2011.2.10 03:02

 菅直人首相が就任後、初めて党首討論に臨んだ。遅きに失したといえるが、自民党の谷垣禎一総裁らとの討論で、菅政権が真正面から取り組むべき課題が浮き彫りになった。

 これからも党首討論を開き、日本が何をなすべきかを論じ合い、国益や国民益の実現に党派を超えて協力してほしい。

 最大の論点は、税と社会保障の一体改革の進め方だった。首相は4月までに社会保障の「あるべき姿」を示し、6月に一体改革の方針を提示するという、これまで示してきたスケジュールを繰り返すにとどまった。

 谷垣氏は、菅首相が4月までに社会保障制度の改革案を示すとしている点について「まとめられなければ責任をとって辞めるのか」と迫った。だが、首相は「案を出したら与野党協議に乗ってくれるのか」などと逆に質問し、責任問題への回答を避けた。

 首相は今年初め、税と社会保障の一体改革について「政治生命を懸ける覚悟でやる」と発言した。だが、その後、衆院代表質問で発言の真意をただされると「改革に向け最大限努力していきたいという覚悟を申し上げた」とトーンダウンした経緯がある。

 谷垣氏は「首相が本気でやる気があるのか。それを問いたいから責任を聞いた」と質問の趣旨を述べたほか、昨年の参院選で消費税増税を提起した首相の発言が、その後ぶれたことも指摘した。

 一体改革に首相がどれだけ本気の覚悟で臨もうとしているのか。国民の最大の注目点でもある。

 政府内では、年金改革をまとめる段階で、民主党案を含む複数案を提示する考え方が出ている。それで野党側に責任をもって提示することになるだろうか。首相には、自ら実現すべき改革の重要性とその責任を、併せて明確に語ってもらいたい。

 小沢一郎元代表の証人喚問を実現するよう確約を求められ、首相が明言を避けたのは残念だった。元代表の処分問題をめぐり「近々話し合って方向性を出したい」と語ったが、議員辞職を直接求め、喚問を説得するなど自浄努力の先頭に立つ決意がみたかった。

 日本航空の稲盛和夫会長が菅内閣に対し「体たらくに落胆している」と発言した。経済界きっての民主党支援者からも見放されている状況にどう応えるかである。

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