菅直人首相の就任から8カ月がたち、初めての党首討論がようやく9日に開かれた。
自民党の谷垣禎一総裁は政府が社会保障と税の一体改革案を示して衆院解散・総選挙で信を問うよう求め、与野党協議を促す首相との議論はかみ合わなかった。毎週でも党首討論を開き、重要課題の論点をさらに掘り下げていく必要がある。
谷垣氏は冒頭で菅政権が掲げる一連の改革の実現性をただした。4月に社会保障改革案、6月に財源となる税も含めた一体改革案をまとめるという日程を確認し「できなければ責任を取るのか」と迫った。
首相は直接答えず「今やらなければならないのは一刻も早く案を作り実行に移すことだ。案を出した時には与野党協議にきちんと応じてもらえるのか」と切り返した。
谷垣氏は民主党のマニフェスト(政権公約)は財源問題で事実上破綻していると指摘。「消費税(の増税)はやらないといったマニフェスト違反の片棒は担げない。大事なのは信頼関係であり、国民に信を問うのが近道だ」と強調した。
首相は「解散しなければ協議にはのれないというのは課題をさらに先送りすることになる」と突っぱね、討論は改革の中身に全く触れないままで生煮えに終わった。
続く公明党の山口那津男代表も、与野党協議には現段階では応じない姿勢を明確にした。
山口氏は政治資金問題で強制起訴された民主党の小沢一郎元代表の証人喚問を求めたが、首相は「いずれかの場で説明してもらうよう努力したい」と述べるにとどめた。
小沢元代表の国会招致問題は、与野党の大きな火種となっている。民主党執行部は1月末の起訴を踏まえ、小沢元代表が国会で説明責任を果たす道筋をつけるべきだ。
菅政権が昨年6月に発足した後、党首討論がこれまで一度も開かれなかったのは与党の怠慢である。民主党は野党時代には積極的に開くよう主張していたが、鳩山前政権も最初の党首討論まで5カ月かかるなど及び腰の対応が目立っている。
与野党は「首相が本会議や予算委員会に出席する週は党首討論を開かない」というルールを見直すなど、制度を生かす努力をすべきだ。
9日の討論では、社会保障や税制の抜本改革に関する各党の基本的な立場すら明らかになったとは言い難い。環太平洋経済連携協定(TPP)への参加や「強い農業」をどう実現するのかなど、与野党が政策を競い合うべき課題は数多い。
谷垣禎一、小沢一郎、菅直人、山口那津男、討論、解散・総選挙、開き議論、自民党、首相、与野党、社会保障、総裁、TPP
日経平均(円) | 10,605.65 | -12.18 | 10日 大引 |
---|---|---|---|
NYダウ(ドル) | 12,229.29 | -10.60 | 10日 16:30 |
英FTSE100 | 6,006.77 | -13.24 | 11日 12:16 |
ドル/円 | 83.57 - .60 | +0.96円安 | 11日 21:10 |
ユーロ/円 | 112.94 - .98 | -0.08円高 | 11日 21:10 |
長期金利(%) | 1.295 | -0.035 | 10日 17:36 |
NY原油(ドル) | 86.73 | +0.02 | 10日 終値 |
経済や企業の最新ニュースのほか、大リーグやサッカーなどのスポーツニュースも満載
詳細ページへ
日経ニュースメール(無料)など、電子版ではさまざまなメールサービスを用意しています。
(詳細はこちら)