安いけど?
画質はどうなの?

気になる台湾製プロジェクター

Optoma H56

Optoma H56

DLP方式

XGA1024×768)モデル

標準価格 498,000

ミラーの作動角度が±10°から±12°と大きくなった最新のDMD素子(1024×768)を搭載し、コントラスト比2000:1・明るさ1000ANSIルーメンPiano/avanti HE-3200(以降HE-3200)を超えるハイスペックで登場。しかも、30万円を切る低価格。もし、これが「当たりなら!?」と誰もが気にするH56を同価格帯の人気プロジェクター「PLUS−VISION HE−3200」と比較テストしました。

テストの前に、この聞き慣れないメーカーについて少し説明しておきましょう。

H56発売元の正式な会社名は、「株式会社オプトマジャパン」。台湾に本社がある「オプトマコーポレーション」の日本支社です。オプトマは早くから映像機器、特にプロジェクターの開発・製造を手がけ、世界の大手メーカーへOEMという形で部品や製品を供給しており、日本ではあまり知られていないのですが海外ではメジャーなメーカーです。

オプトマジャパンは日本での販売・マーケティングブランチ(支店)であり、海外にはオプトマUSA、オプトマヨーロッパ、オプトマ中国があります。

現在、オプトマのDLPプロジェクターの生産台数は、世界第二位です。(一位は、米国インフォーカス社)オプトマは、これから日本市場を開拓しようとする、NECやPLUS−VISIONよりも多くのDLPプロジェクターを世に送りだしている、大規模プロジェクター専門メーカーなのです。

仕様の比較

カタログスペック

製品名

PLUS HE-3200

Optoma H-56

デバイス・画素数

0.67インチ・848×600

0.7インチ・1024×768

コントラスト比

700:1

2000:1

輝度

450ANSIルーメン

1000ANSIルーメン

光源

130W UHP

200W UHP

ズーム

1.2倍 マニュアルズーム

1.2倍 マニュアルズーム

画面サイズ(対角線)

38200インチ

23246インチ

投影距離

1.26.4m

1.1410m

入力端子

DVI-D

D-sub15Pin

コンポーネント(コンポジット兼用)

S-ビデオ

DVI-A

D-sub15Pin(コンポーネント兼用)

コンポジット

S-ビデオ

質量

2.0kg

2.9kg

外形寸法(幅×奥行×高さ)

235×198×91mm

277×225×85mm

消費電力

200w

320w

外観とリモコン

サイズの違い。
H56
は現在データ・プロジェクターの主流A4サイズで、外観はデータ・プロジェクターそのままです。

左・ピアノ用蓄光型。
右・
H56用はバックライトを装備

 その他の仕様

本体前面の光漏れ。データープロジェクター並みで
遮光は殆どされていません。

本体後部。中央にリモコンセンサーがあり、ボディー
はマグネシウム合金で強度と放熱、高級感を確保。

ピアノ(右)・H56(左)で レンズの枠がフォーカスリング。その後ろがズームダイヤル。レンズ左側にもリモコンセンサーがあります。
画像入力は4系統。d-sub15pinRGBとコンポーネント(色差)の併用入力 本体上面端に操作スイッチ(すべての操作が可能)

 画質の比較

画質の比較は、株式会社メディックス DVD Monitor CHECK DISC」・税込み3,500円を使用して調整の後行いました。

放送/業務機器ビデオモニターと同じブルーオンリーで色の濃さと色合い合わせます。(プロジェクターにその機能が無いのでブルーフィルターを付属)簡単に精度の高い調整が可能!その他本格的な調整・確認が手軽に行えます。初めてプロジェクターを買われる方に特にもぜひお奨めします。  

PLUS Piano HE-3100の画像

Optoma H56の画像

HE-3200はカラーの境界でのにじみがH56と比べるとやや多めです。

DLP方式に共通ですが白色の方がやや飛びやすいのでバランス良く調整してください。

このサイズでは判りにくいのですが、パネル解像度の差か大きく出ました。
Piano
はソフトフォーカス気味でH56は非常にシャープでハッキリしています。

さすがに色のバランスはPianoが上を行くようです。

両機共に調整前は色をこってり出す方向の絵作りで、チェックディスクで補正するとカラーを大幅に下げる事になります。H56はコントラストを大幅に下げないと黒色が潰れ気味の画像でした。

DVDデモディスク画像

色合いはPianoが綺麗ですが、クッキリ映る画像にもやはり魅力を感じるのも事実です。

同じ露出で撮影のためPianoの方が余計に暗く再現されてしまいます。
明るさが2倍違うため、暗部の表現に余裕の有るH56

ある程度部屋を暗くしてみる分にはPianoで不満はまったく感じません。
質感は明るさとは比例しない様です。

H56専用斜光マスク・プレゼント中です

期間限定でH56の愛用者カードをオプトマジャパンに送ると、左下のレンズ部に装着する16:9に対応した斜光マスクのプレゼントがあります。

三菱のLVP-D1208が同じDLPXGAパネルを最初から上下斜光した形で16:9専用パネルとして使用、横長で映画を見るときに光漏れを防ぎ画質改善を図ったことで、H56がその対策として用意したものです。

こういう、見かけ中途半端なものは日本のメーカは意地でも作りませんが、そういうつまらない見かけや面子にこだわらず、ユーザーに有利な手段や情報は惜しみなく提供しようという積極的な企業の姿勢は、我々も見習う必要があると思います。

このサービスに、オプトマの「本気」と「姿勢」を強く感じました。

装着前 装着後
前から本体底の溝に合わせてはめ込みます。先にピントを調整して置かないと後からは動かせないので注意が必要です。

部屋の環境にもよりますが、DLP方式は暗部の表現が得意なので、店のシアタールームではあまり違いが認められませんでした。白い壁等に映したり、スクリーンの生地よりも小さく映す場合には効果が有りそうです。

まとめ

Piano

カラーバランスに優れるPianoは使いやすく、シネマライクな画質は非常に魅力があります。

パネルの精細度が劣るため、細部のフォーカスがやや甘くなりますが、大きな問題ではありません。

メカメカしくない外観・小さなボディー・必要十分に抑えられた機能と性能による使いやすさ・ボディーカラーのバリエーション・・・そういった、ユーザの期待にこたえる製品としての”Piano”の完成度はやはり群を抜いて高いと思います。

使用しているワイドDMDパネルの生産が完了したため、後数百台で生産完了となるHE3200の購入はお急ぎ下さい。

HE56

Pianoのカラーバランスに比べるとH56が悪く見えますが、決してそんなことはありません。
シアタープロジェクターでは「唯一3管プロジェクターに最も近い発色」を見せてくれる素晴らしいモデルです。
ヨーロッパ市場で開発されたモデルだけあって、国産プロジェクターと異なる色合いは、やや青のコントラストが強く[BARCO]との類似性を感じさせます。
フィルムで言えば、コダック・エクタクロームの発色に近いと言えば、古くからのカメラファンの皆様にはお分かりいただけると思います。

問題は、ファンノイズが今のシアタープロジェクターとしてはやや大きいこと。
冷却ファンからの光漏れも過大なこと。
焦点距離が長めで、ワイド90型スクリーンへの投影で「最短3.98〜最長4.78m」と設置距離が長く必要なこと。
(6畳間だとワイド70インチぐらいが限界)

以上がクリアー出来る方は一度ご覧ください。H56を絶対気に入っていただけるとおもいます。

今回撮影した画像ではその良さが出し切れていませんが、とにかく色彩の豊富さ・色彩の繊細さは抜群です。ただ...あまりにも映像がクリアで美しいため、「映画のストーリー」よりも「画質そのもの」を楽しんでしまうという傾向があるかも知れません。
映像マニアを自認するお客様には、絶対一度はご覧頂きたい製品です。

 

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