会員制のリゾートクラブ「岡本倶楽部」を巡る詐欺事件で、逮捕された元オーナーが会員から集めた保証金で、親族が経営する会社から高級車を購入し、暴力団関係者に贈っていた疑いがあることが分かり、警視庁は神戸市にある自動車販売会社を捜索し、裏付け捜査を進めています。
この事件は、静岡県熱海市の老舗旅館「岡本ホテル」のオーナーだった元暴力団員の大東正博容疑者(59)ら11人が、会員制のリゾートクラブ「岡本倶楽部」の会員を募って、保証金の名目で全国の70人余りからおよそ3億円をだまし取ったとして逮捕されたものです。警視庁は、11日、神戸市にある大東元オーナーの親族が経営する自動車販売会社や、親族の自宅など、関係先9か所を捜索しました。警視庁によりますと、岡本倶楽部が会員から200億円以上を集め、このうち、およそ40億円は大東元オーナーが私的に流用していたとみられています。その後の調べで、大東元オーナーが会員から集めた保証金で、親族が経営する自動車販売会社から高級車を購入し、暴力団関係者に贈っていた疑いがあることが新たに分かったということです。保証金の入金口座からは、山口組系暴力団の口座に数億円が振り込まれていたことも明らかになっていて、警視庁は大東元オーナーが暴力団にトラブルの処理などを依頼し、さまざまな形で利益供与をしていたとみて調べています。