虚偽の実験データを用いた論文を発表したとして、懲戒解雇された東北大大学院歯学研究科の上原亜希子元助教(41)が同大を相手に、地位保全の確認と約1000万円の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こすことが28日、分かった。30日に提訴する。
東北大によると、元助教は自身の実験で得たデータや画像をコピーし、別の論文に都合のいいよう転用したとして、昨年12月に懲戒解雇された。
これに対し、元助教は「論文ごとに個別の実験をしており、転用ではない」と主張している。
仙台地裁は先月14日、元助教が求めた解雇取り消しと賃金支払いを求めた仮処分の申し立てを認める決定をした。決定を受け、元助教は同大職員として復帰した。
東北大法務課の話 大学側の手続きや判断に瑕疵(かし)はなかった。裁判になれば、こちらの主張を理解していただけるよう訴えていく。
[時事通信社]