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企業・経営

東北大大学院、助教らの論文11本で改ざんやねつ造、歯科研究科

2009年4月22日

 東北大学は4月21日、大学院歯学研究科の研究者3人が2001―2007年にまとめた11編の論文について、実験データの改ざんとねつ造が見つかったと発表した。論文は口腔(こうくう)の免疫などに関する内容で、1つの実験データを複数の実験データとして流用(使い回し)していたという。

 東北大によると、不正には歯学研究科の上原亜希子助教が中心的に関与した。しかし指導にあたった高田春比古教授、菅原俊二教授についても研究倫理、作法の指導が不十分で、不正が起きる原因の1つになったとしている。

 一連の論文では別々の実験でとったはずの複数のデータが酷似していた。東北大の調査委による解析に加え、外部に委託した解析でも、データの流用を強く示唆する結果が出た。上原助教らは、実験結果に解釈などを加えずに記録した「生データ」を保存しておらず、疑いを晴らすような証拠を提出しなかったという。

 東北大は再発防止策として、不正防止を呼びかける文書を大学の構成員に配布し、1人ずつ内容を確認したことを示す文書の提出を求める予定。

 同大学では2007年、研究不正告発の窓口に、掲示板サイト「2ちゃんねる」の書き込みと関連する論文5編を印刷した匿名の投書が届いたが、信頼性などの問題から受理しなかった。その後2008年7月に日本細菌学会が16編の論文について不正を告発したため、東北大で専門の委員会を組織して2009年3月まで調査していた。

■関連情報
・東北大学のWebサイト http://www.tohoku.ac.jp/

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