ミミズ神で土壌管理



さて、ソイルに底床変更してからちょっと経ったわけですが、
確かにCRSの繁殖と稚エビの保護にはかなり有効らしく、
レッドチェリーの繁殖をしていたときよりもかなりあっけない繁殖具合を
記録しているわけですが、果たしてコレだけでいいのでしょうか?

『ソイルは消耗品でいつか寿命が切れる』

この定説に対して、少しは効果があるかと底面吹き上げ水槽を試みたわけですが、
エビ水槽の住民はエビの他にはオトシンクルスと貪欲な分解者バクテリアのみ。
なんだか面白みがありません。そこにとある情報が舞い込みます。

『このミミズこそ、真の水陸両用生物だったんだよ!!』

講談社「週刊少年マガジン」:提供



これは驚くべき朗報です。畑の神様、その生活体系ゆえに土をひたすら耕して
浄化する神様が、なんと水陸対応の防水神様だというのです。

すぐにネットで情報検索をしてみると、どうやらミミズをエサに与えている
ザリガニやサンショウウオファンの方々には、特別珍しいことではないというのです。
繁殖こそしないが、底砂の中で生き続けるミミズがいると・・・。

実際につり用ミミズ「りんたろう」で実験なさっている方もいて、成功している模様。
りんたろうというのはコットンリンターという繊維で養殖されたシマミミズのようです。

ジャンジャカ入ってくる情報をまとめつつお話しする技術を持ち合わせていないので、要点だけを説明。

ミミズの生態

1.ミミズは土中を環形動物門 貧毛綱に属する動物の総称で、土を食べて有機物や微生物を消化して
  土を耕す。糞は団粒構造で耐水性!!
2.よく道路で干からびているミミズがいるが、あれは雨などで土中の酸素が少なくなったことによる
  酸欠から逃げ出すために道路に逃げ出して干からびたもの
3.土中の有害物質を体に取り込み蓄積する。
  体に傷が付いた状態で水に入ると水質が悪くなり、ミミズも体液が流出して死ぬ

なによりも気に入ったのが、土中を耕し、糞は耐水性の団粒構造ということ。
製造工程は違うものの、これはソイル自体に近いのではないかと思ったのです。

さっそく、実家へGO!!

ミミズをゲットするに当たって、気をつけることの一つがその産地です。
ミミズは土中を耕しつつ有害物質を取り込み浄化する、ナウシカでいうと腐海のような存在です。
ゲットすべきは映画でナウシカが育てていたような育ちの綺麗なミミズでないと危険です。
産廃を掘り返すのはご法度ですが、つり用ミミズにも地雷があるという情報があったので
あえて自宅の庭を掘り返すことにしました。
ちなみに、掘り返した際に怪我を負ったミミズは使えませんからご注意を

雨が降っていて元気はないものの、健康そうなシマミミズを10匹前後GETしました。
半分はプランターに離し、もう半分は水中に慣らす実験をします。

水中に生存できるミミズは、シマミミズが確実であるという情報を得ていたので、
今回は成功の可能性が高いです。ちなみにシマミミズは富栄養の土にいるそうですよ。


10月1日加筆:訂正と朗報

今回我が家に導入したこのミミズ、ミミズに詳しい方に鑑定をお願いしたところ、
写真と捕獲時の環境からフトミミズの仲間であるとの情報を頂きました。
フトミミズは一般的に水没に弱いとされているらしく、鑑定してくださった方も驚いていたようです。
ということで、「フトミミズも水中生活可能!!」という朗報と、捕獲したミミズはフトミミズだったという
訂正をお知らせいたします。

フトミミズは柔らかい黒土に住み、植物質の有機物を好み、過密には生活しません。
シマミミズは生ゴミからおがくずまで食べ、ミミズコンポストなどに利用されているとのことです。





早速水に投入しました。
最初は底砂を敷いたほうがいいと思ったのですが、実家から持ってきた土は
すごく濁ったので、ミミズのみを取り出して水差しにてエアレーションしました。
エアレーションは酸素の充分な供給のためです。
土の中に居るときよりよく動きます。苦しんでいるのでしょうか??

この後、蛍光灯インバータ化のため3時間放置しました。

3時間後にエアレーションを外すと、全5匹の生存を確認。
水中で呼吸できるという話は本当だったようです。
ただし、ミミズは粘液で体を保護しているので、やはり底砂は必要だったようです。
強水流に曝され続ければ死んでしまうと思われます
体に傷をつけないようにピンセットで取り出します。
これはNISSOのトリミングピンセットの形状が特殊だからできることなので、
確実さを取るなら浅い皿などに移して救い出したほうがいいです。

では、本水槽にダイブ!!!

!!!!???



異常事態発生!!!

エビが・・CRSが集団でミミズに襲い掛かりました!!
自分より何倍もデカイミミズをツマツマしています!!
やばいぞミミズ!!これじゃ『ミミズはエサ食い最高!!』
くらいのレポートしか書けなくなる!!

なんとか脱出した模様。体格差は伊達じゃないぜ!!
でも、これ苦手な人が見たら俺が水槽で寄生虫飼っているようにしか見えないな・・。
どうやら潜る本能を発揮。地面に居るより優雅に潜っていきます。
怪我もしていないようです。
潜りきりそうです。一匹だけリシアネットに頭を突っ込んで
危険なことになったミミズが居ましたが、無事救出。


その後

その後はミミズと出会っていません。でも、水槽表面にトンネルが出来ているので、
どうやら適応しているようです。

効果がどうなのかなんて聞かないで下さい。ミミズがどれだけ神様かはもう語らずとも明らか。
酸素が沢山ないとダメと言いますが、酸欠になると表層に出てくる性質があるので、
その際にはすぐに分かると思われます。

こんなソイルの維持管理はいかがでしょうか??


9月26日追記


ミミズを入れてまる2週間が経ちましたが、遂に遭遇しました!!
しかもウチの水槽で高度が一番ある流木の山腹から出現!!
驚かせるなよ・・。本当に心臓に悪すぎるよ・・。

と、いうことで、ミミズは水中で生活できます!!!

そして、今日思ったこと!!!

絶対にミミズはアクアリストに受け入れられない!!

マジでこれは・・・スゴイです。驚かされます。
コイツが現れた途端に水槽の世界がガラっと変わります。
これ、嫌いな人が見たら本当に悲鳴を上げます。
重力から解き放たれたミミズの素早さ、縦横無尽の動きは
本当にヤバイです。

へ・・変化のある水景をお求めの方は是非お求めを・・・。

2007.02.01追記

先日、我が水槽のフトミミズ君一匹が息を引き取りました。
4ヶ月ほど私の水槽で生活してくれた末に、水槽前面という
非常に目立つ場所で亡くなってくれましたorz

三日ほど遺骸を観察したところ、溶けて消えていき、
水質悪化は起こりませんでした。

この話の発端である2chアクア板ミミズスレにて報告したところ、
「フトミミズの寿命は半年から一年、シマミミズは3年」との言葉を頂きました。
亡くなったミミズ君は、捕獲時から成体サイズだったので、
天寿全うと見ていいかも知れません。

ミミズの可能性はまだまだ未知数扱いですが、間違いなくソイル内の
通水性アップや攪拌、凝固防止に効果があると思います。

「イトミミズにも土壌浄化能力がある」と言っている方が居ますが、
私の場合は端から土壌浄化に重点を置いているわけではなく、
低床でユラユラ不気味に踊るイトミミズにドブを想像するよりは、
夜中だけ全開で存在を主張するものの、昼間は物静かなミミズ君に、
本当は土に住んでいるのに水の中でも全然平気という
物凄く非常識なミミズ君の姿にほれ込んだので、その点は了承願います。

 




 

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