ライフ【児童養護施設の現場から】(1)職員が足りない!+(1/3ページ)(2011.2.9 07:47

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【児童養護施設の現場から】
(1)職員が足りない!

2011.2.9 07:47 (1/3ページ)
幼稚園に行っていない幼児たちのランチタイム。幼稚園の通園費用は平成21年度から、ようやく国と自治体から支給されるようになった=1月31日、千葉県船橋市の児童養護施設「恩寵園」

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幼稚園に行っていない幼児たちのランチタイム。幼稚園の通園費用は平成21年度から、ようやく国と自治体から支給されるようになった=1月31日、千葉県船橋市の児童養護施設「恩寵園」

 ■心の回復へ態勢不十分

 「職員が多ければ、もっときめ細かい対応ができる。できる限りのことはしているが、子供たちにとって十分とはいえない」

 千葉県船橋市の児童養護施設「恩寵(おんちょう)園」。平成15年に建て直した比較的新しい園舎で、2歳から18歳まで70人の子供たちが暮らす。

1人で15人ケア

 6歳までの幼児10人の部屋を訪ねると、子供たちが昼食をとっていた。保育園のような雰囲気だ。午後2時ごろには幼稚園児たちが帰宅。子供たちは、自分の菓子箱の中からラムネやグミなど好きなお菓子を選んでおやつにする。「この後、何するの?」と聞くと、「お外で遊ぶのー」。食堂の前の園庭を指さした。

 主任の鈴木志穂さん(32)は「日中は2人で10人を見ます。子供は1人の大人を独占したい気持ちが強いのに、手をかけてやれない。ほとんどの時間を園で過ごすため、電車やバスに乗ったり、夕食の買い物に行ったりという日常的な経験が圧倒的に少ない」とこぼす。

 小学生から高校生までの60人は、男女別に15人ずつのグループに分かれて生活している。部屋は2人部屋を中心に個室と4人部屋。職員は計14人で24時間の3交代制のため、日中は15人の子供を1人で、夜間は30人を1人で担当する。記者が訪ねた夕方の約1時間。「一緒に遊ぼう」「めがねが壊れた」「手が痛い」「(ゲーム機の)充電して」…。小学生を中心に次々と話しかけてくるが、「後で」「順番ね」と答える職員の言葉は口癖のようだ。

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