食料品急騰に主婦悲鳴、昼食メニューも値上げ(上)

 9日夜、ソウル市永登浦区の大型スーパーを訪れた主婦キム・ハヨンさん(43)は、売り場で野菜を買うのをためらった。豚の三枚肉(600グラム)の値段は1万6000ウォン(約1190円)。昨年初めに大型スーパーが値下げ競争を繰り広げ、3000ウォン(約220円)台だった価格は5倍以上に跳ね上がった。キムさんは「夕食の材料を買いに来るたびにため息ばかりが出る」と話した。

 オフィス街の昼食メニューも値上がりしている。ソウル市内でスンデ(豚の腸に餅米、春雨、豚の血などを詰めたもののスープ)料理を出す店では最近、スンデクッパ(スンデ入りスープご飯)の価格を6000ウォン(約450円)から7000ウォン(約520円)へと引き上げた。

 経営者(55)は「口蹄(こうてい)疫の影響で昨年末から内臓などが値上がりしたほか、ニンニクなども高値で、客足が遠のくことを恐れ、値上げを先延ばししてきたが、結局は引き上げることにした」と話した。

 政府も対応に追われている。企画財政部(省に相当)は先月13日、李明博(イ・ミョンバク)大統領が「庶民物価安定総合対策」を発表した後、物価安定対策会議を毎週開いている。物価政策を担当する尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)企画財政部長官のほか、これまでは物価政策と縁遠かった公正取引委員会の金東洙(キム・ドンス)委員長まで出席し、相次いで対策を発表しているが、効果を発揮していない。

豚肉、野菜は急騰

 昨年の異常高温に口蹄疫の影響が重なり、野菜や豚肉の価格が青天井で上昇している。畜産物品質評価院によると、豚肉の卸売価格は1年前に1キロ3385ウォン(約250円)だったが、現在は6316ウォン(約470円)へと87%も上昇した。小売価格は500グラムで1万538ウォン(約780円)に達し、前月比で38%上昇した。口蹄疫で300万頭を超える豚が殺処分されたために、価格が急騰した格好だ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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