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【大リーグ】

福留独占インタビュー!! 今年結果残して40歳までメジャー

2011年2月11日 紙面から

名古屋市内の飲食店で本紙のインタビューに答える福留

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 メジャーで骨を埋める覚悟で臨む!! カブスの福留孝介外野手(33)が10日、本紙の独占インタビューに応じた。今季はカブスとの4年契約が切れる最終年を迎えるが、福留は来季以降も日本球界復帰の考えはなくメジャーでのプレーを熱望。苦闘が続く3年間の葛藤、メジャーの厳しさ、カブスへの思い…。メジャー4年目のシーズンに突入する意気込みを渡米前に存分に語った。 (聞き手・伊藤哲也)

 −このオフの仕上がり具合は? 今年もスタートは恒例の楽天・山崎選手とのハワイ合同自主トレからだったが

 福留「例年のことだけど、ハワイでみっちり下半身をいじめてきた。走ってばっかりだったけど体重が90キロ台になってた。たぶん筋力の問題だね。ボクの場合は下半身の土台ができるまではバットは握らないというか振れないから」

 −今季は契約最終年のシーズン。その前に少し昨季を振り返ってもらいたい

 「130試合出たといっても先発は87試合(※注1)。ずっと出続ければシーズン終盤になれば打率は1厘、2厘の勝負になる。逆に出たり出なかったりだと、シーズンを通して1回のミスが必然的に大きくなるんだよ。打率を残そうとしたらそこが一番、キツイって感じだよね」

 −昨季、4月は過去の2年間と変わらず好スタートを切った

 「4月打っていようが、左投手が出てきたら5試合、6試合平気で休まされた。悪い時は仕方ない面はあるけど、いい時もその方針は変わらなかったからね。この3年間はその繰り返し。日本でもそうだったように自分は打席に入って修正したり感覚を直してきた。8月は月間最高打率(メジャー最高の3割6分5厘)といっても数字が出てるだけ。いい感じというのはなかった」

 −左投手との対戦が少なくなれば必然的に苦手意識も生まれる?

 「左が苦手というか忘れるという感じ。どうやって打ってたっけな?って忘れる。自分でおかしくなってくる。こんなボール振っちゃってるよって笑えてくるぐらいにね。昨季は後半になって左でも打席に立ちだしたでしょ。感覚が戻ってくると打席でも粘れるようになる」

 −そんな苦労の中でもリンスカムから日本人初のスプラッシュ弾(※注2)もあった。

 「リンスカムって真っすぐでどんどん押してくるイメージがあるかもしれないけど、ボクの対戦した感覚では困ったらチェンジアップのイメージ。追い込んだりフルカウントからはよく投げる。ただあの一発は初球。ここは真っすぐ1本だと狙いを定めて、フルスイングだった」

 −メジャーでコイツはすごいと感じた投手は?

 「右左関係なくでいえば、ロイ・ハラデー(フィリーズ右腕)、クリフ・リー(フィリーズ左腕)、ジョシュ・ジョンソン(マーリンズ右腕)、加えるならハマったときのウバルド・ヒメネス(ロッキーズ右腕)かな」(※注3)

 −カブスとの契約は最終年。その強者たちとずっと対戦し続けていきたい思いは?

 「今、グリーンカード(米国永住許可証)も申請している。子供の環境面も含め、米国での生活も落ち着いてきたし、人生のプラスになることは多いから。来季以降もメジャーでプレーしたい。もう、お金じゃない。お金だけ欲しければ日本に帰るよ(笑)」

 −来季以降もメジャーでプレーするためにも今季は勝負の年になるのでは?

 「とにかくまずは試合に常時出続けることが一番。それさえできればやれる自信はある。3割はもちろんだけど、本塁打も20本はいける自信はあるよ。メジャーで10年間プレー。それが達成できれば、40歳まで現役でやることになるし、区切りはいいね」

 −チームの話題に入るけど、クワーディ監督の印象は? 

 「監督代行として指揮を執った昨季の後半は(選手を)試している感じだったから、今年どうするかは渡米して合流してみないと正直、よく分からない。ただ野球は知ってる監督だと思う」

 −ナ中地区はカブスを含め他球団も補強に積極的に動き混戦もよう。ブルワーズには、斎藤も入った

 「ブルワーズはいい補強してるよね。とにかく斎藤さんとの対戦は楽しみだよ。メジャーでも3打数2安打(※注4)。そのうち1本で負けをつけてるんだよ、斎藤さんがドジャース時代に。相性がいいというか、知ってるからね。初めましての投手より、そりゃ情報量が違う。その分だよね」

 −やはり相手を知るというのは大きい?

 「メジャーでプレーしてると、驚くこともいっぱいあるよ。国土が広すぎて日本みたいに先乗りスコアラーがいるわけじゃない。セプテンバーコールアップ(9月のメジャー登録枠40人拡大)で上に来た投手が投げると分かると『コイツ何を投げるんだ? よし、練習見ろ』って感じ。ホント、笑っちゃう。カブスしか知らないから他のチームがどうなのか分からないんだけどね」

 −最後に今季のカブスに関してはどう。やはりプレーオフに出てもらいたいが

 「ウチのチームは4月の成績次第じゃないかな。勢いがつけばそのまま突っ走れるかもしれないし、スタートは大事になる。後はどこまでいい野球をできるかだよ。レッズのボットなんてよく野球を知ってる。4番なのにきっちり右打ちで進塁打してきたりしてくるしね。カージナルスの連中もそう。もちろん、プレーオフに出ていい緊張感の中で野球をやれることを願ってるよ」

 ▼注1 メジャー1年目の08年は150試合出場(先発127試合)、09年は146試合出場(先発129試合)、昨季が130試合出場(先発87試合)。

 ▼注2 昨年8月10日、ジャイアンツ戦の1回1死一塁の場面、リンスカムから右翼後方のサンフランシスコ湾に飛び込むスプラッシュ(水しぶき)弾となる豪快な先制2ラン。試合も8−6で勝った。

 ▼注3 対戦成績はVSハラデーが3打数無安打、VSリーが3打数1安打、VSジョンソンが2打数無安打、VSヒメネスが6打数1安打。

 ▼注4 08年6月5日のドジャース戦。4−4で迎えた9回1死一、二塁の場面で値千金の決勝右前適時打。4番手の斎藤に黒星がついた。

 

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