きょうのコラム「時鐘」 2011年2月11日

 政治面の「首相日誌」や「知事日誌」の注目度はかなり高いと思う。ストレートな記事以上に読まれているのではなかろうか

一昨日は、谷本知事が「きつねうどん」についてうんちくを傾けていた。食べ物話が出る日誌はさらに読まれる。食には人間性が表われる。読者一人一人にも言いたいことがあるだろう。関西と北陸のうどんの違いについて話したい読者も多いにちがいない

国会が始まる前、菅首相が独りで食事をする時間が多いとの記事を読んだ。最近問題になっている「孤食」を思い出し、首相も追いつめられたかと推測したが、しばらくすると民主党議員と一緒に昼食をとる機会が増えたと別の記事があった

食事から首相の精神状況を推し量るのもおこがましいが、日本の明日を担う人の食生活に無関心ではいられない。麻生内閣時には高級料理屋やバーでの飲食が問題になった。注目度の低かった菅首相の食を報告した記者の目の付け所に感心した

他に書くことがなかったからだろう、と切り捨てた人もいたが、ともかく、お年寄りも子どもも政治家も寂しい「孤食」は体によくない。