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裁判長、判決で少年法改正求める 大阪・高1殺害事件(2/2ページ)

2011年2月11日0時4分

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 判決後の記者会見で、補充裁判員を務めた堺市の男性(47)は「一般の人は(判決が)軽いと感じると思う。我々としては苦渋の選択で、これが少年法の見直しの契機になってほしい」。裁判員だった会社員男性(48)は「遺族が納得するかどうか分かりませんが、一生懸命考えた結果です」と語った。

 判決によると、少年は被害者と付き合っていた少女に交際を申し込んだが、断られたことなどから被害者の殺害を決意。09年6月11日夜、富田林市新堂の河川敷で被害者の頭をバットや木づちで殴り、殺害した。(佐藤達弥)

     ◇

 〈少年法〉少年は人格が発達途上で教育による改善・更生が期待できるという考えに基づき、刑務作業のない少年院での再教育などの保護処分を定めた法律。神戸児童連続殺傷事件などをきっかけに2000年に改正され、16歳以上が故意の犯罪行為で人を死なせた場合、検察官に送致(逆送)して刑事裁判にかけることが原則化された。その後も少年の重大事件が相次いだことを受けて厳罰化を求める声が上がり、07年には少年院に収容できる年齢の下限を14歳から「おおむね12歳」に引き下げることなどを盛り込んだ改正法が施行された。

     ◇

 〈前田忠弘・甲南大法学部教授(少年法)の話〉従来の職業裁判官だけの審理では今回のような言及はあまりなく、裁判員時代の特徴的な動きといえる。少年の重大事件が相次ぐ中で裁判員が現行の少年法に疑問を抱くのも理解できるが、少年は立ち直りの可能性が大きく、刑罰と保護のバランスは大人以上に慎重に考えるべきだ。今回の判決は少年法のあり方に対する問題提起ではあるが、改正をめぐる議論には、厳罰化だけではなく少年保護の理念も踏まえた多角的な見方が必要だ。

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