新しい防衛大綱で示された離島の防衛態勢の強化に向けて、陸上自衛隊は、アメリカ西海岸で、アメリカ海兵隊とともに海からの上陸作戦を想定した日米共同訓練を10日から行っています。
訓練を行っているのは、南西諸島など離島の防衛のために平成14年に設置された陸上自衛隊・西部方面普通科連隊と、アメリカ海兵隊の第1海兵機動展開部隊です。訓練は、アメリカ西海岸のサンディエゴにある海兵隊の基地で、現地時間の9日(日本時間の10日)から始まり、その一部が公開されました。10日に行われたのは、「LCAC(エルキャック)」と呼ばれるアメリカ海軍のエアクッション揚陸艇を使って上陸する訓練で、LCACには、陸上自衛隊の隊員およそ40人と指導に当たるアメリカ海兵隊員が乗り組みました。訓練の想定は、敵に上陸されるおそれのある離島にあらかじめ乗り込んで防御の態勢を整えておくというものです。いったん沖合に出たLCACが再び浜に乗り上げると、小銃や対戦車砲を持った陸上自衛隊の隊員たちが次々に陸地へと向かっていきました。この共同訓練は、5年前から行われていますが、内容は年々高度になっており、陸上自衛隊によりますと、現地時間の14日(日本時間の15日)には、日米の部隊が共同で海から陸地へと展開する訓練が行われるということです。去年12月に定められた新しい防衛大綱では、中国の軍事力の台頭を背景に、南西諸島周辺の防衛態勢を強化する方針が示されています。今回の訓練は、この方針を踏まえたもので、西部方面普通科連隊の永井理明中隊長は「島しょ部を防衛するという任務を確実に遂行するため、優れたノウハウを持つアメリカ軍から知識や技術を吸収して、部隊の練度の向上に努めたい」と話しています。