会員制温泉リゾートクラブへの預託金名目での組織的詐欺事件で、岡本ホテルグループの実質的オーナー大東正博容疑者(59)から、指定暴力団山口組系組長らに渡った金は、「トラブル解決料」や「用心棒代」などの名目だったことが10日、捜査関係者への取材で分かった。
一方、グループが管理していた口座からは、山口組系の組が関係する口座に数億円が送金されていたという。
大東容疑者から山口組系組長らには、グループが集めた二百数十億円のうち数億円が流れたことが判明しており、警視庁などの合同捜査本部は、自身も山口組系の元組長だった大東容疑者と、暴力団組織との関係を詳しく調べている。
捜査関係者によると、大東容疑者は2005年4月にリゾートクラブ「岡本倶楽部」の運営を開始し、預託金を集めるビジネスを始めた。
大東容疑者は、岡本倶楽部の運営などをめぐって別の暴力団組長らとの間で複数のトラブルを抱えており、金を渡した相手は、こうした問題への対応を相談していた山口組系の組長らだったとみられる。
金を渡す際の名目は、用心棒代などのほか「従業員紹介料」「盆や暮れのあいさつ」などとしていたという。
一方、大東容疑者は、岡本倶楽部の運営開始後、周囲に「クラブは5年でつぶして別のことをする」などと話していた。合同捜査本部は、当初から預託金返還の意思がなかった疑いがあるとみて経緯を調べている。
|