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事故飲酒率:全国ワースト5位 県警「規範意識低い」--昨年1年 /千葉

 ◇常習者多く

 昨年1年間に県内で発生した交通事故のうち、過失責任の大きい第1当事者が飲酒運転していた割合が1・28%と全国平均の0・81%を大きく上回り、全国ワースト5位と不名誉な結果だったことが県警のまとめで分かった。摘発された運転者の多くが「捕まらないと思った」「距離が近いので」などと供述し、常習的に飲酒運転を繰り返している実態が浮かんだ。県警は取り締まりを一層強化する方針という。【味澤由妃】

 県警交通指導課によると、第1当事者が車両(原付きバイク以上)を運転していた2万4203件のうち、飲酒運転が310件あった。県内の自治体で飲酒率が最も高かったのは君津市で、3・02%。次いで旭市(2・30%)が高かった。

 同課は「両市では公共交通機関が発達しておらず、飲酒後の帰宅が困難であることが原因の一つだろう。しかし、全体として県民の規範意識が低いことが最大の原因だ」と厳しく指摘する。

 こうした現状を踏まえ、県警は昨年12月に「飲酒運転常習者一掃作戦」を展開し、忘年会が終わる時間帯や酒類を提供する店の周辺で集中取り締まりを実施。「飲酒運転根絶プロジェクトチーム」も編成し、前年同月比58人増の164人を摘発した。このうち「過去にも飲酒運転したことがある」と答えた「常習者」が半分以上の85人を占めた。酒の絡む人身事故は前年と同じ33件だったが、死亡事故は3件からゼロに減った。

 県警は今後も根絶プロジェクトチームを必要に応じて編成し、飲酒運転一掃を目指す方針。同課は「法が整備されて厳罰化が進み、常習者は悪いとわかっていて飲酒運転している。事故を起こす人の多くが飲酒運転常習者。きちんと取り締まる必要がある」と強調している。

 ◇県内最悪の君津市、撲滅へ町ぐるみ 取り締まりも大幅強化

 第1当事者の飲酒運転率が昨年、県内で最も高かった君津市。2位の旭市を0・7ポイント以上、県平均を1・7ポイント以上も引き離し、“断トツ”だ。

 昨年1月1日からの累計で県内ワースト1位となったのは7月から。10、11月には飲酒運転者の逮捕が4件ずつあり、事態の深刻さが明らかになった。この中には、10月3日深夜、飲酒運転の乗用車が一方通行を逆走し、反対から来た乗用車と正面衝突。被害者もまた飲酒運転だった--という信じがたいケースも含まれている。

 事態を重く見た君津署は昨年12月、飲酒運転の取り締まりを大幅に強化。「ここでやっている」とうわさにならないよう、神出鬼没に警察官を配備し、抜け道もマークした。

 これに並行し、同月2日には、飲食店の経営者らでつくる市食品衛生連絡協議会の支部長らが君津署に集まり、意見交換を行った。「啓発用資料があればお客に言いやすく、店にも張れる」という声を受け、「飲酒運転は犯罪です!」と大書されたA4判のチラシが市内の飲食店に計800部配布された。

 また、運転代行の利用を促すため、今年1月20日に市内の代行業者11社を集めて会議を行い、今月下旬には同協議会と業者の話し合いも持たれる。

 昨年11月には、新日鉄君津の社員や地域住民ら約50人が夕方の君津駅で飲酒運転撲滅を呼びかけるチラシやティッシュを配布。市民も動き始めている。

 同署の平賀信行・交通課長は「警察の取り締まりには限界がある。飲食店や運転代行業者と協力し、町ぐるみで取り組んでいきたい」と話す。【味澤由妃】

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 ◇第1当事者の飲酒運転率◇

 (%、暫定値)

1 沖縄 2.38

2 島根 1.53

3 秋田 1.47

4 茨城 1.42

5 千葉 1.28

毎日新聞 2011年2月10日 地方版

 
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