佳菜子、世界女王へ秘策は３回転フリップ！…フィギュア

　冬季アジア大会女子フィギュアスケートで初優勝した村上佳菜子（１６）＝中京大中京高＝が８日、大会開催地のカザフスタン・アスタナから成田空港に帰国し、３月２１日開幕の世界選手権（東京・代々木第一体育館）に向け、新技の３回転フリップ―３回転トーループの完成に着手することを明かした。出場試合を２大会追加したハード日程で調整し、今季１１戦目となる世界選手権で表彰台を目指す。

　村上が金メダルを手に凱旋した。「優勝はすごくうれしいけど、それよりいい演技ができたことがうれしい」。帰国してやりたいことには「カレーうどんが食べたい」と無邪気な笑顔を見せた。

　ショートプログラム（ＳＰ）で２連続３回転の２つ目のジャンプが１回転になり、日本にいる山田満知子コーチに電話口で激怒された。気合を入れ直したフリーは国際大会で自己最高の１２２・５６点をマーク。「フリーでノーミスできたことがうれしかった」と収穫を強調した。

　アジア女王の次なる目標は世界女王だ。先輩の浅田真央（２０）＝中京大＝やバンクーバー五輪女王の金妍兒（２０）＝韓国＝らトップ選手を競う世界選手権への秘策もある。冒頭の２連続３回転の１つ目をフリップにする計画で、従来のトーループの連続ジャンプより基礎点が１・２点上がる。真央や金もプログラムに組み込んだ連続ジャンプだ。

　難易度が上がるため今大会は自粛したが、本番では「できればいいなって思います」と意欲。フリーだけで実施する中部日本選手権（１３日、山梨）、３月１１〜１３日の愛知県選手権（名古屋）という実戦の中でプログラムを磨いていく方針だ。

　冬季アジアは今季８戦目で、世界選手権で１１戦目。競技シーズンが約半年のフィギュアでは異例の多さで、現時点で真央は今季４戦、安藤美姫（２３）＝トヨタ自動車＝は５戦しか出ていない。「試合を重ねるごとに上がってきているのでよかったと思う」と過密日程も前向き。「（世界一に）なれたらいいなって思う」。若い力で頂点を目指す。

　◆あるぞ入場規制　〇…村上が出場を予定している中部日本選手権は観覧無料とあり、入場規制がかかる可能性が出てきた。会場の小瀬スポーツ公園アイスアリーナは最大８８２席。安藤美姫が出場した０５年山梨国体の際には観客が殺到したため規制したという。会場関係者は「今回も定員に達した時点で規制することになる」と話しており、先着を争うファンも出現しそうだ。

　

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