静岡県熱海市などの老舗温泉ホテルを舞台にした岡本倶楽部の詐欺事件で、岡本ホテルグループの元オーナー大東正博容疑者(59)らが指定暴力団山口組系の暴力団関係者らと連携し、京都府京丹後市久美浜町のリゾートホテル開発計画を打ち出した疑いがあることが9日、捜査関係者への取材で分かった。
ホテルは今月に完成予定とされていたが、着工の形跡はなく、警視庁組織犯罪対策4課は大東容疑者らがさらに出資を募るために開発を発表した疑いがあるとみて調べている。
問題のホテルは「リッツ京都久美浜」。パンフレットによると、地下1階、地上13階建てで、露天風呂やプールなどを完備し、昨年4月に着工するとされていた。
捜査関係者らによると、同グループは2009年秋までに経営が窮迫し、取引先への代金納入や従業員給与の支払いが滞ったほか、会員契約時に約束していた未使用宿泊ポイントの換金も渋るようになった。
大東容疑者らは10年以上前に建設が頓挫し、放置されていた建物に目を付け、「リッツ」として再開発すると発表。ポイント換金や預託金返還を要求する会員らに、建設で一時的に資金繰りが悪化しているが、開業すれば大きな収益が見込めると釈明していた。
[時事通信社]