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[ライフ]ニュース トピック:マニフェスト
「児童養護施設の現場から」(2) 子ども手当、私物化の親も
2011.2.10 11:00
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厚労省によると、20年2月1日現在、児童養護施設に入所している子供の平均在所年数は4・6年で、1年未満が最も多い17・1%。しかし、10年以上の子供も10・9%おり、今後、保護者のもとへ復帰できる見通しのある子供は35・4%にすぎない。
東京都調布市の児童養護施設「二葉学園」の養護主任、相原信一さん(39)は「入所から2、3年が復帰のチャンスだが、小さい子は何かあってもSOSを出せず、不安。大きくなるまで待つと親子の関係がうまく築けず、家庭復帰が年々難しくなる」と打ち明ける。
保護者の環境改善
恩寵園によると、入園から4年を過ぎると家庭復帰のケースがほぼなくなる。同園唯一の家庭生活支援員、田岡由紀子さん(34)は子供を引き取る気持ちがある保護者に対し、環境整備を専従で行っている。母親の生活保護申請に同行するなど県内を飛び回る。
「子供と一緒に暮らしたい気持ちはあるのに精神的に安定せず、引き取れない。周囲ともトラブルが多く児童相談所に不信感を募らせたり、実家と絶縁関係だったり。身近で日常生活をみてくれる人がいれば子供は家庭に復帰できるのに」と田岡さん。
施設職員の話から見えてくるのは、子供と切り離されたことで、ますます地域からも孤立し子供への関心を失っていく親の姿だ。子供がいれば幼稚園や保育園、学校の行事、子供の習い事を通じ地元とつきあう。ところが父子家庭や母子家庭の場合、子供を手放した途端、再婚し他県に引っ越すケースもあるという。
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