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[ライフ]ニュース トピック:マニフェスト
「児童養護施設の現場から」(2) 子ども手当、私物化の親も
2011.2.10 11:00
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「輝」「優」「花」「愛」「凛」「龍」…。
千葉県船橋市の児童養護施設「恩寵(おんちょう)園」に入園している子供たちの名前につけられた漢字だ。いずれも美しく、親の期待と喜びを背負って生まれてきたことが分かる。
「戦後と異なり、いわゆる孤児はほとんどいません。子供の誕生は親にとっても喜びであったはずなのに、絆がうまく築けない」と鈴木淑弘園長は話す。
民主党の目玉施策「子ども手当」は、子供の健やかな育ちのために使われるのが趣旨だ。しかし平成22年度は、実際に養育している養護施設ではなく親に支給された。
家庭復帰わずか3割
厚生労働省子ども手当管理室によると、親から受給申請を受けた市町村は面会実績などがあれば「子供を育てている」と見なし、支給する。面会実績がなかったり、親が手当を申請しなかったりした15歳以下約1万1千人(推計)については都道府県の「安心子ども基金」に振り込まれ、養護施設に支払われた。
定員70人の恩寵園では約30人の親が子ども手当の支給を受けた。「手当を受けても子供のために何かをしたということはありません。残念ながら“私”の生活費に消えたのでしょう」と鈴木園長は唇をかむ。
増え続ける家庭内虐待の受け皿となる児童養護施設。入所後の子供をケアするニーズを満たせていないばかりか、家庭復帰に向けて親子を再統合させる機能も十分果たせていない。
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