北方領土での軍備増強指示 ロ大統領「わが国の戦略的地域」【モスクワ共同】ロシアのメドベージェフ大統領は9日、北方領土を含む千島列島(クリール諸島)は「わが国の戦略的地域だ」と述べ、ロシアの存在感を高めていく考えを示し、現地での軍備増強を指示した。モスクワ郊外の大統領公邸でのセルジュコフ国防相らとの会談で述べた。 大統領は、千島列島が「ロシアの不可分の領土」と強調。「現地に追加配備される軍備は、安全保障のために十分な、近代的装備でなければならない」と述べた。 大統領の発言は、日本の北方領土返還要求に応じない姿勢をあらためて表明したものといえ、11日にモスクワで予定されている前原誠司外相とラブロフ外相との会談を前に日本側を強くけん制した形だ。昨年11月の大統領の北方領土訪問を「許し難い暴挙」と非難した7日の菅直人首相の発言に対抗する意味もあるとみられる。 今月4日に自身で択捉、国後両島を視察した国防相は、今月中に両島に駐留する部隊の装備近代化の計画案を策定すると報告した。 大統領は、北方領土は隣国との協力のために開かれているとしながら、「すべての国はこの島々がロシア連邦の領土であることを理解しなければならない」と述べた。 【共同通信】
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