2011年2月9日23時27分
【モスクワ=副島英樹】ロシアのメドベージェフ大統領は9日、セルジュコフ国防相らに会い、北方領土の軍事力について「必要で十分、かつ現代的でなければならない。ロシアの一部として不可分の島々の安全を保障するためだ」と述べ、近代化を進める意向を示した。ノーボスチ通信が伝えた。
大統領が会談したのは国防相とバサルギン地域発展相で、2人は北方領土を訪問したばかり。大統領は北方領土を「ロシアが主権を持つ領土だ」と強調した上で、「戦略的なプレゼンスを強化するため、あらゆる努力をする」と述べた。北方領土の国後島と択捉島には国防次官、国防相が相次ぎ訪問し、部隊の装備更新などに取り組む姿勢を見せていた。北方領土には2千〜3千人の部隊が駐留している。
大統領はさらに、北方領土のインフラ整備などについても「協力を侮辱的だと考えない国々と協力する用意がある」と述べ、中国や韓国と協力関係を深める考えを明らかにした。菅直人首相が7日に大統領の北方領土訪問を「許し難い暴挙」と述べており、今回の発言には、11日からの前原誠司外相のロシア訪問を前に日本側を牽制(けんせい)する狙いがあったと見られる。